[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合指数は52.6と、前月の53.4から低下し、予想の53.0も下回った。雇用減などが重しになった。ただ新規受注は6カ月ぶりの高水準となり、非製造業部門がなお底堅いことが示された。

ウェルズ・ファーゴ(ノースカロライナ州シャーロット)のシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「物価圧力の緩和と雇用の抑制により、今回の発表はハト派的な方向に傾いているが、米連邦準備理事会(FRB)は最終的にはこうした動向がインフレと雇用の伸びに関するハードデータに反映されることを望んでいるようだ」と述べた。

新規受注指数は56.1と、55.0から上昇し、昨年8月以来の高水準を付けた。ただ、1月に急増した輸出受注は軟調だった。

新規受注の増加を反映し、景気指数は57.2と、55.8から上昇。5カ月ぶりの高水準を付けた。

受注増にもかかわらず、非製造業部門のインフレは鈍化。投入価格指数は58.6と、11カ月ぶりの高水準だった前月の64.0から低下した。

ネーションワイドの金融市場エコノミスト、オーレン・クラチキン氏は「基調的なトレンドは、サービスインフレが上半期も引き続き低下傾向にあることを示唆しているが、FRB当局者が望むほど急速にインフレが冷え込まないリスクもある」と述べた。

供給業者の納入に関する指数は48.9。前月は52.4だった。指数は50を下回ると納入の速度が速くなっていることを示すため、供給状況の改善が示された。

ただ、雇用指数は48.0と、50.5から低下。新規受注が増える中でも、非製造業部門の雇用増は見られなかった。