[ロンドン 23日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.4で、3月の50.3から大幅に上昇、約1年ぶりの高水準となった。製造業は一段と悪化したが、サービス部門が好調だった。

総合PMIはロイターが集計した予想の50.7を上回り、好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で上回った。

製造業が不振でサービスが好調という構図はドイツとフランスでも顕著に見られた。

コメルツ銀行のクリストフ・ヴァイル氏は「ユーロ圏経済は成長に戻った。サービスPMIは4月、一段と上昇した。しかし、製造業PMIの予想外の低下で、状況が暗くなっている」との見方を示した。

22日公表のロイター調査によると、ユーロ圏の経済成長率は第2・四半期は0.2%、第3・四半期は0.3%と予想されている。

ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デ・ラ・ルビア氏は「ユーロ圏は第2・四半期、好スタートを切った。総合PMI速報値は拡大域に大きく踏み込んだ。これはサービス部門にけん引されたもので、同部門の活動はさらに勢いを増した」と述べた。

サービス部門PMI速報値は52.9で、3月の51.5から上昇。ロイターがまとめた予想の中央値(51.8)を上回った。

製造業PMIは46.1から45.6に低下し、予想の46.6を下回った。2022年半ば以来50を割り込んでいる。

ただ、製造業の生産指数は47.1から47.3に小幅上昇した。

サービス業の新規事業指数は52.1と11カ月ぶり高水準だったが、製造業の新規受注指数は46.0から4カ月ぶり低水準の43.8に低下した。

企業の楽観度は依然高く、人員の増加ペースは昨年6月以来の高水準。総合雇用指数は50.9から51.8に上昇した。