David Milliken

[ロンドン 5日 ロイター] - 英住宅金融ハリファクスが5日発表した3月の英住宅価格は前月比1.0%下落し、2023年9月以来のマイナスとなった。

ハリファクスは前月まで5カ月連続で上昇しており、高金利が続いていることを踏まえると、下落は予想外ではないとの見方を示した。

前年同月比では0.3%の上昇で、ロイターがまとめたエコノミスト予想の1.45%を下回った。住宅金融会社ネーションワイドが2日発表した3月の住宅価格は前年比1.6%上昇だった。

イングランド銀行(英中央銀行)が2日発表した2月の住宅ローン承認件数は22年9月以降で最高となった。賃金上昇率がインフレ率を上回り始たことや、英中銀の利下げが現実味を増してきたことが背景にある。

しかしハリファクス のディレクター、キム・キネアード氏は一部の基調的な物価指標に粘着性が見られることから、利下げの程度と時期について金融市場での楽観的な見方が後退していると話した。

「このため昨年末ごろに市場の動きをけん引した住宅ローン金利の低下が止まった」と述べた。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、イモジェン・パティソン氏は、ハリファクスの住宅価格データはネーションワイドのデータより金利の動きに敏感な傾向があると指摘した。

「この先住宅ローン金利は1、2月よりも高い水準を維持し、今後数カ月は5%弱で推移するだろう」とし「これにより需要が抑制され、住宅価格のさらなる上昇が妨げられる」と予想した。