David Stanway

[シンガポール 15日 ロイター] - 資源大手リオ・ティントのドミニク・バートン会長は15日、世界の鉱山産業への投資が少なく、グローバルなエネルギー移行がリスクにさらされていると指摘、銅などの重要鉱物の供給不足が拡大する恐れがあると述べた。

バートン氏はシンガポールで開催されたエコスペリティ会議にオンラインで参加し「不足は極めて深刻で、実際に不足分を埋められるか非常に懸念している」と述べた。

温室効果ガスの削減に向けた世界的な取り組みは、銅・リチウム・コバルトといった電気自動車(EV)や太陽光・風力発電所に必要な鉱物を大量に確保できるかに左右されるとみられている。

国際エネルギー機関(IEA)によると、発電容量1キロワット当たりに必要な金属の量は2010年以降50%増加。EVは従来の内燃機関車の6倍の鉱物を必要とする。

バートン氏は、世界が鉱物資源の不足だけでなく、新たな鉱山を開発する資本不足にも直面していると発言。「鉱山業界は2015─16年に投資を大幅に減らしている。必要な額を数千億ドル下回っている」と述べた。

同氏は、鉱山業界は信頼を築く必要があり、グローバルな脱炭素化プロジェクトで同業界が重大な役割を果たすことを十分に周知しきれていないと指摘。脱炭素化プロジェクトでは、これまでに生産された以上の銅が今後25年で必要になる可能性があると述べた。