Kentaro Sugiyama

[東京 29日 ロイター] - 政府は29日、経済財政諮問会議で今後のマクロ経済運営について議論し、民間の議員から、人手不足が社会課題となる中で政策の方向性を労働移動の円滑化にシフトして取り組んでいくべきとの提言が出された。

日本経済は企業収益や株価が過去最高水準となる一方、個人消費や設備投資は力強さを欠いている。実質国内総生産(GDP)成長率は2四半期連続でマイナスとなり、民間議員は日本経済が新たなステージに移行する上で「正念場を迎えている」との認識を示した。

民間議員は、企業の投資計画は高水準だが、人手不足や資材価格上昇などで実際の投資に十分に結びついていないと指摘。投資の制約となっている要因がないか急いで検証し、その解消に向けた方策を早急に洗い出すべきだと提言した。人手不足に対応するため、徹底的なデジタル化と省人化投資が重要だとも強調した。

中長期の経済財政運営について民間議員は、人口減少の克服に向けて生産性向上、労働参加の拡大、出生率の向上などに取り組む必要があるとし、今後3年程度の包括的な政策パッケージを策定すべきだと提言した。