Kirsty Needham Lucy Craymer

[シドニー/ウェリントン 10日 ロイター] - 米沿岸警備隊のマイケル・デイ少将は10日、南太平洋で地元警察と合同で実施した中国漁船への立ち入り検査は合法との認識を示した。中国側の指摘に反論した。

ロイターは先月、中国漁船6隻がバヌアツ海域をパトロールする初の米沿岸警備艇に同乗した地元警察による検査を受け、バヌアツの漁業法に違反していることが判明したと報じた。

米沿岸警備隊とキリバス警察も2月に10年ぶりの合同パトロールを行い、中国漁船2隻を検査したが、問題は見つからなかった。

中国の王小龍駐ニュージーランド大使は5日に中国大使館が配布した書簡の中で、米国とバヌアツ、キリバス、パプアニューギニアの間で結ばれたシップライダー(乗船)協定を利用して「中国漁船に対する法執行活動を遂行」することは国際法違反との認識を示していた。

中国は遠洋漁業船を厳しく監督しており、いかなる違法漁業も許さない方針だとし、沿岸国の主権を尊重していると説明していた。

デイ氏は、王大使のコメントは不正確であり、2国間のシップライダー協定は国際法に沿ったものと主張。記者会見で「われわれは各国の排他的経済水域保護に協力するため、ホスト国の要請に応じてこうした立ち入り検査を行っている」と語った。

ニコル・テソニエロ司令官も、サモア、フィジー、バヌアツ、パプアニューギニアとのシップライダー協定に基づき、各国の排他的経済水域内で操業する漁船に対する23件の検査を行ったとし、地元警察によって12件の違反が判明したと明らかにした。

「排他的経済水域内の船舶を対象とした取り締まりは全てパートナーの指示を受けている」と説明した。

オーストラリアやニュージーランド、英国も太平洋諸島諸国と連携して違法漁業に対するパトロールを強化している。太平洋諸島諸国の多くは、数百万キロに及ぶ沿岸水域や排他的経済水域を監視する軍や船舶を保有していない。