6個ずつ組んだ玉を一挙に投げ入れる子どもたち=吉野ヶ里町文化体育館

 今秋に正式競技が開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会(国スポ・全障スポ)に先駆け、県民が誰でも参加できる「デモンストレーション競技(デモスポ)」が21日、吉野ヶ里町と大町町で開幕した。100個の玉をかごに投げ入れるまでの速さを競う「アジャタ」、健康増進を目的にコースを巡る「ウォーキング」が開かれ、世代を超えたスポーツでの交流に笑顔が広がっていた。

 デモンストレーション競技は10月13日まで、県内15市町で28競技が開かれる。

アジャタ

 吉野ヶ里町文化体育館で開かれた「アジャタ」には、地元バレーボールのジュニアクラブ、PTAの団体など6市町から18チーム約100人が参加した。「せーの」の合図で玉を投げ入れると、チームの一体感を味わい競技を楽しんでいた。

 運動会の玉入れから派生したスポーツで、100個の玉すべてをバスケットに入れるまでの時間を競う。小学生以下の子どもが1人以上加わる多世代部門、年齢制限のない一般の2部門で、1チーム4〜6人で出場した。

 参加者たちは、開始前に玉を積み上げて準備。高さ3メートル以上のバスケットに向かい、積み上げた玉を一挙に投げ入れた。多世代部門のベストタイムは1分20秒だった。

 バレーボールクラブ東脊振JVC女子の前田あいりさん(東脊振小6年)は「一斉に投げ入れるのが楽しくて、みんなとの絆が深まった。オーバーハンドパスのコントロールが生かされたかな」とはにかんだ。(横田千晶)

ウォーキング

 大町町であったウォーキングには町内外から約200人が参加。小雨に見舞われながらも、ヒバリの声に春を感じながら、六角川の堤防などを歩いた。

 「霧の六角川も乙なもの。大町の豊かな自然の風景を楽しんで」という水川一哉町長の歓迎あいさつを受けて出発した。住宅街の坂道を下り、麦畑の緑を楽しみながら大きく蛇行する六角川へ。白石町の稲富智恵子さん(48)、一翔君(10)、悠さん(7)は「緑がきれいで、川の流れを眺めるのも楽しい」と喜んでいた。

 12キロと6キロのコースの分かれ道の土手は、杵島炭鉱があったころの石炭積み出し場で、休憩所が設けられた。炭鉱の歴史を伝えるプリントや水害被害と復興のパネルで、同町について学んでいた。(小野靖久)