自分に何ができるかわかりません。

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 「自分にできることがわからない」と悩む人について考えてみた。

 1995年、世の中がガラッと変わった。Windowsなどインターネット接続サービスが開始されたグローバル化の年だ。これまで黒船来航や明治維新など、日本の歴史上さまざまな変化の転換期があった。人類は常に変化し続けてきたのだ。

 私は昔から縄文にハマっている。なぜ魅了されているのか。それは「変化を恐れない冒険家たちがいた」という点だ。縄文時代の前、『旧石器時代』の主食は狩猟により野生動物が食されたとされている。その中でも大きいナウマンゾウは後期の旧石器時代まで多く食べられていた。しかし、ある時期から徐々に姿を消し、絶滅した。現代人であれば「いなくなったら、他のものを食べればいいじゃない」と思うかもしれない。しかし社会環境を肌感覚でしか分からない当時は、絶滅したなんて知るよしもない。ここで大きな選択を強いられた。「ナウマンゾウの狩猟を辞め、別の手段に変える」判断だ。

 これまでぜいたくな肉を食べていた人類にとって、執着心があったと思う。おいしいものを諦めるなんてできたのだろうか。いや、諦めたわけではなく、「肉は今ではない」ということだ。生きるために現状を考えて、ナウマンゾウを追いかけるより他の手段をとることで生存率が上がる。その判断ができたからこそ、人類は縄文時代へ向かって歩み始め、約1万年以上も持続可能な社会を実現できたのではないか。

 私たちには恐れながらも、歩みを止めない冒険家のDNAが流れている。すべてを諦める必要はない。“今ではない”と踏ん切りをつけ、取りあえず行動することか大切だ。行動すれば発見がある。発見があればアイデアが生まれる。この循環に身を置くことが自身の成長につながると思う。

 今、自分に何ができるかわからないと悩んでいる人、当然だ。誰も未来のことはわからない。だからこそ、一歩踏み出す行動を起こす! あなたは変化を待つか、自分が変わるか。どっち?

 (音無てらすオーナー 山本卓)