森保ジャパンは3月21日、北中米ワールドカップのアジア2次予選で、北朝鮮と国立競技場で対戦。キックオフ直後に田中碧が奪ったゴールで、1−0の勝利を収めた。

 終始キレキレだったのが、前田大然だ。開始80秒で、一度は足を滑らせて転びながら、素早い寄せでボールを奪い、電光石火弾の起点となると、その後も抜群の存在感を発揮。猛プレスで会場を沸かせたほか、圧巻のスプリントから鋭いクロスを送り込み、ビッグチャンスを創出した。

 前田の速さは分かってはいたが、スタンド上段にある記者席から見て、改めて分かった。速い、とにかく速い。ひとたびターゲットを定めて走り出せば、ぐんぐん加速する。プレスを受ける相手にとっては、脅威でしかない。しかも、時間が経っても強度は全く落ちず、90分間続くのだから、もはや絶望である。
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 異次元のスピードはサポーターを虜にしており、記者席のすぐ近くに座っていた子連れのお父さんが「いいねえ」と唸れば、ちびっ子たちは「ダイゼン速っ!」「ダイゼン速くない?」「バケモンだよ!」と大はしゃぎだ。

 その人気ぶりは、試合後のインタビュー時の様子からも窺える。背番号11が呼び込まれると、「ダイゼーン」「金髪似合ってるぞー」といった野太い声が方々から聞こえた。

 髪はお馴染みのスキンヘッドから、金色に輝く坊主に変わった。しかし、前田の献身性と重要性は不変だ。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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