まだ1試合だけに、状況が一変したとは言いがたい。だが、ラツィオの監督交代が、鎌田大地にとって追い風になりつつあることは確かだ。

 鎌田がマウリツィオ・サッリ前監督の下で出場機会を失っていたのは周知のとおりだ。開幕から4試合は先発出場したが、以降はベンチスタートに定着。特に2024年に入ってからはさらに出番が激減し、クラブによる昨夏の補強が「失敗」だったとの批判も高まっていた。

 だが、大きな転機となったのが、サッリの辞任だ。後を継いだイゴール・トゥドール監督は、サッリがこだわった4−3−3からの脱却に着手。練習初日から新システムを試した。

 これで注目されたのが鎌田だ。トゥドールは初陣となったユベントス戦の前日会見でも鎌田を称賛するなど期待をうかがわせた。そして迎えた3月30日、鎌田は約3か月ぶりにスタメンに名を連ねたのである。

 今季の主力マテオ・ゲンドゥジがベンチから見守るなか、ボランチの一角として先発出場した鎌田は、攻守両面にわたって奮戦。新指揮官から賛辞を寄せられた。メディアからの評価も上々だ。
【動画】鎌田が奮闘!ユベントス戦で猛プレスからチャンスを構築
 これを受け、試合から一夜明けた31日、イタリア『calciomercato.com』は「最も驚きの選択だったのは間違いなく、ゲンドゥジに代わってカマダを先発で起用したことだ」と報じた。

「ここまでコロッセオの影に隠れ、大きく苦しんだ選手がまるで遠い親戚のようだった。完璧ではないかもしれない。だが、質・量の面でラツィオに来てから見せたことのない高みのパフォーマンスだった。ラツィオの指揮官は彼を先発で起用した。そして、試合展開や最後の結果が示すように、それは正しかった」

 鎌田がトゥドールの下で完全にレギュラーの座を手にできるのかは、今後を見ていく必要があるだろう。ラツィオは4月2日、コッパ・イタリア準決勝第1レグで再びユベントスと対戦する。勝てばタイトルへの期待が高まる大事な試合で、鎌田に再び出番が回ってくるのか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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