[ルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦]大宮 0−2 名古屋/4月17日/NACK5スタジアム大宮

 J1の名古屋がJ3の大宮をパトリックの2ゴールで下したルヴァンカップの一戦、3ー4−2−1の2シャドーで先発したのが大卒ルーキーの倍井謙と榊原杏太だ。

 彼らはともに名古屋アカデミーで育ち、倍井は関西学院大、榊原は立正大を経由して、今季、名古屋に復帰。クラブの次世代を担うコンビとして注目される。

 リーグ開幕から先にチャンスを掴んだのは独特なリズムのドリブルが光る倍井だった。1節の鹿島戦に途中出場すると、8節の磐田戦では、退場処分を受けたが、その前の8分には嬉しいプロ初ゴールも挙げてみせた。

  一方の榊原はこのルヴァンカップの大宮戦が今季初出場&デビュー(昨季は特別指定選手としてもルヴァンカップでプレー)。やはり複雑な想いもあったという。

「同期で入ってきて、(倍井)ケンは出ていて、俺は出られないのは悔しかった。でも自分も『出られればできるよ』とずっと思っていましたし、そこがなくなっちゃったらサッカー選手としてはダメだと思うので、そういう気持ちでポジティブにやってこられました」

【動画】パトリックの2ゴール!!
 
 そして迎えた大宮戦、榊原はチャンスがありながら決め切れなかったことを悔やむも、持ち味は示した。

「間で受けて前を向いてというのが自分の特長ですし、チャンスメイクやゴール前のプレーは出せていましたが、点を取れるシーンがあったので、そこで決めたかったです。

 何回もチャンスをもらえるわけではないですし、掴んでいかないといけないと分かっています。そういう一個一個で結果を残していかないと内容が良かったねではダメだと思うので、今回は勝てましたが、より意識してやっていきたいです」

 さらに榊原、倍井はアカデミーでともに攻撃を牽引してきただけに、息の合ったコンビネーションも披露。

 榊原も「ケンとは『一緒に出ようぜ』『楽しみだね』と話していましたし、ズレちゃった部分もありますが、走ってくれているところは見えていました。やっぱり、やりやすさはめちゃくちゃありました。楽しかったです」と振り返る。

 試合後には、ふたりで決めていたという記念撮影をサポーターの前で撮ることもできた。そのシーンに感慨深さを感じた人もいるだろう。

 クラブの未来を背負うであろうふたりは、今後も切磋琢磨しながら高めあっていくはずである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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