[J1第10節]広島 2−2 川崎/4月28日/エディオンピースウイング広島

 またも勝ち切ることはできなかった。

 8節の福岡戦(△1−1)、9節の札幌戦(△1−1)という長距離移動を強いられたアウェー2連戦に続き、ホームでの川崎戦も2−2でドロー決着となった。

 それでも「このゲームをキッカケに這い上がろうと」(鬼木達監督)と下位からの巻き返しへ気合いを漲らせてきた川崎を、上手くいなしながら38分にはDF佐々木翔の左クロスをFW大橋祐紀がヘッドで決めて先制に成功する。

 後半は途中出場の川崎FW小林悠にJ1通算140得点目を許し、FW山田新にも勝ち越し弾を決められ、逆転されてしまう。

 それでも1分後にはFW加藤陸次樹のゴールで追い付くのである。確かに引き分けの数が多いのは気になるが、負けない力強さは、リーグ制覇への大きな後押しとなるのだろう。

 これで10試合を終えてJ1で唯一の無敗(4勝6分)。首位のC大阪を勝点1差で追う。 

【動画】広島×川崎ハイライト!!
 
 佐々木も継続の重要性を語った。

「勝てれば良かったので、そこはこだわっていきたいですし、だからこそこれを続けていく。チャンスを作って仕留める回数を増やしていく。当たり前のことですね。攻撃であれだけチャンスを作れるように、アグレッシブに自分たちのサッカーを続けていくところが大事。

 僕らは変わらないですし、自信を持ってプレーを続けていく。今日も非常に多いチャンスがあったと思いますし、より点を取る。より堅固に守る。自分たちのアグレッシブなサッカーを続けていく。上位をキープすることが、優勝を目指すことにつながっていくので、ブレずに続けていきたいです」

 そして川崎戦でも感じられたが、今季から使用する新スタジム「エディオンピースウイング広島」の雰囲気がやはり良い。

 この日も満員御礼が掲げられ、劣勢になれば大声援が後押し、押せ押せムードになれば一気に会場が沸き立つ。

  相手を飲み込むという表現が相応しく、今後も大きな味方になるはずである。

 20チームで行なわれている今季のJリーグはかなり混戦だが、広島の無敗記録がどこまで続くのか注目である。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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