脚本家の小山内美江子さんが亡くなったことが10日に明らかになったことを受け、ドラマプロデューサーの石井ふく子氏(97)が「寂しいです」と追悼した。

 石井氏は小山内さんと40年以上の付き合いがあるといい「『花の吉原 雪の旅』(1984)などでご一緒したことを今でも覚えています。他にもたくさん本をお願いしました」と回顧。打ち合わせ後にはよくご飯を食べに行ったエピソードを口にし、「いい思い出でした」としのんだ。「優しいですが、臆せずにやってくる方。脚本を巡っては、口げんかもたくさんしました」と明かすも「でもね、“けんか程仲がいい”って言いますよね。大好きな方で仕事もしやすかったです」と思いを馳せた。

 各脚本家には特徴があるとする中で「小山内さんは構成力とせりふ力、どちらも独特で素晴らしかったです」と口にした。「せりふは気持ちから入る“小山内流”で、せりふにダメ出しをしたことはほとんどなかったです。心のあるドラマを作ってくれました」とその凄さを表現した。

 電話もしばしばする仲だったが「最後に話したのは6年以上も前かな…」と話し、コロナ禍も重なり、長い間、会えていなかったという。「久しく会ってなかったので、どうしてるか気にしていたところに、急なお知らせで…。何でみんないっちゃうの…」と寂しげに語った。

 石井氏はこの日、第32回橋田賞授賞式に出席していた。