17日のルヴァン杯2回戦、鹿児島戦でプロの公式戦初出場で決勝ゴールを決めた東京VのMF山本丈偉(17)があらためて喜びを語った。先発して前半終了直前にミドルシュートを決めてこれが決勝点。「緊張したけど、みんながほぐしてくれていい緊張感で入れた。あまりミドルはうたないがあの時は打てて、いいところにいった。チームとして無失点で終われたのがよかった」と振り返った。

 高校2年生だった今年1月に、ユースからトップに昇格。4月から高校3年生になったばかりだ。「少しずつ自分の良さを出せるようになった。課題もたくさんあるので改善しないといけない。きのうも守備は課題で、直さないとリーグに絡めない」と、強度やポジショニング、フィジカルなどを課題に挙げた。食事を意識し、筋トレも毎日取り組んでいる。「体重は2キロぐらい増えた」という。さらに4月から通信制の高校に転校してプロサッカー選手として練習する時間も確保した。「試合に出る準備はできていたので、やっときたなと思った。緊張はすると思ったし、ミスもあると思ったが、デビュー戦なので楽しもうと思った」という。そしてU―23日本代表MF山本理仁の実弟としても知られているが、「インスタのストーリーにコメントがきた」という。「おめでとう」「ありがとう」「次はリヒの番だね」「やかましい」といったやりとりをしたという。

 城福浩監督(63)も「あのシュートはすごかった。簡単ではない。振り抜いて、非の打ちどころない。攻撃においては試合に出ている選手とそん色ないが、連続性と強度、ペナルティーエリア周辺での粘り強い守備を学んでいる最中。自信は進歩の要因だし、うぬぼれることもない。課題にしっかり向き合えば伸びる」と評価する。技術は文句なし、フィジカルができればリーグ戦に絡んでくることはまちがいなく、東京Vの新戦力となる日も近そうだ。