ことしで開店40周年となった新潟伊勢丹。

いまでは県内唯一の百貨店です。

40周年を記念して4月は特別な催事などが企画され、店内は明るく華やかな雰囲気ですが、普段は入れない百貨店の舞台裏はどうなっているのか? 

◆2000人が利用する社員食堂

ここは新潟伊勢丹の社員やスタッフが利用できる社員食堂です。関係者以外は入れませんが、席数も多く解放感があります。

料理の提供は午後4時までということですが、交代でスタッフが休憩する姿が見られます。

多い時には2000人のスタッフが利用しているということです。

◆社員食堂でも40周年の限定メニュー

4月3日、新潟伊勢丹が40歳の誕生日を迎えた日ということで、社員食堂でも限定メニューが提供されていました。

取材を許可してもらいのぞいてみると…寿司とそばのセットです。

昼時には多くのスタッフが楽しんでいました。

さらに買い物客にふるまわれた甘酒が、社員食堂でも提供されていました。

食堂では毎日メニューが変わる日替わりメニューがあり、接客にあたるスタッフや社員はここでエネルギーを蓄えていると話していました 。

◆様々な問い合わせが集中する「交換室」

続いて訪ねたのは、秘密基地のような空間……「交換室」。

いったい何をしているのでしょうか?

<新潟伊勢丹 販売サービス 吉田ゆかりさん>

「全館の事を知っている場所です」

吉田さんの仕事は……。

◆電話対応は1日300件

<電話で対応する吉田さん>

「大変お待たせいたしました。新潟伊勢丹でございます」

吉田さんの仕事は、店内外からの電話をつなぐ、「店内案内」。

新潟伊勢丹の様々な問い合わせを担う場所です。

<新潟伊勢丹 販売サービス 吉田ゆかりさん>

「売場の方も人数が減ってなかなか大変なところをここでフォローしているつもりです」

1日に受ける電話はおよそ300件。

新潟伊勢丹の全てを知っていないと務まらない仕事といいます。

◆館内図を作成

<新潟伊勢丹 販売サービス 吉田ゆかりさん>

「内線番号は携帯も入れると200ぐらい覚えています。番号を見ないで覚えろと言われ……」

「入社した当時は、館内図を書かされました。全館の白地図にお店の場所を書かされました。書けないと一人立ちできないです。何回も追試がありまして」

その白地図、同僚の泉さんが新人時代に書いたものが現在も残っていました。

<吉田さんの同僚 泉さん>

「最初は何も書いてない枠だけ。 そこにお店を自分で埋めていく。覚えられないんで、丸つけて。 難しかったですね。3階は混み入ってるんです」

当時は“スパルタ教育”だったと振り返る2人ですが、今となっては、いい思い出だと話します。

◆館内放送の音楽にも意味が

フロアの奥にある小さな部屋。

ここで行われているのが……、館内放送です。

聞き覚えのある放送も吉田さんたちの仕事です。

様々な設備が備わる放送室。 中でも気になるのがこのボタンです。

<新潟伊勢丹 販売サービス 吉田ゆかりさん>

「例えばこの雨の曲は、案内所から『雨が降ってきました』と連絡が入ると雨の曲を流して、 全館に『外は雨が降ってきたので紙袋にカバーをかけてください』と伝えます」

新潟伊勢丹の店内放送で流れる曲の一例です。

それぞれ従業員に向けたメッセージが込められていたのです。

例えば……

・スターウォーズ ⇒販売体制の乱れ

・第九 ⇒目標達成

・フニクリフニクラ ⇒もう少しで目標達成

今年で勤務歴40年という吉田さんにとって「新潟伊勢丹」とは……。

<新潟伊勢丹 販売サービス 吉田ゆかりさん>

「お客様としても、従業員として働いてもとても楽しい場所。 大変なこともありますけど大変なことは次の日には。次の日は無理ですね。1週間後には忘れる。本当に1日として同じことはないですね。 それが面白い」

1日として同じことがない……それが面白いと言いきる吉田さん。接客のプロならではの精神を感じました。

◆テレビカメラ初潜入

百貨店には、誰でも入れない“特別な場所”があります。

それが限られた顧客のみが入れるサロンです。

(新潟伊勢丹 島崎さん)

「三越伊勢丹グループで年間100万円以上ご利用いただいたお客様用のサロンです」

◆さらにその奥に

今回テレビの生放送取材が初めてということで奥にある個室にもカメラが入りました。

高級感あふれる空間は奥に大きな鏡がありソファーに座ってゆったりと商談できるスペースになっています。

この個室は先ほどのサロンより、さらに限られた顧客を対象に、販売会や特別な商談の際に使う部屋だということです。

◆新たな百貨店の魅力を

新潟市の中心部に位置する新潟伊勢丹。

新潟市ではいまJR新潟駅のリニューアルが進み新たな商業施設が次々オープンするなど関心を集めています。

新潟を盛り上げたい……

40周年に合わせ来年3月末にかけて様々な事業を企画していて、事業を通じ百貨店の新たな可能性を伝えたいとしています。