5月19日に開幕する男子テニスツアー「ジュネーブ・オープン」(〜5月25日/スイス・ジュネーブ/クレーコート/ATP250)に、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が急遽出場することになった。大会側はジョコビッチにワイルドカード(WC/主催者推薦枠)を付与したことを発表、公開されたシングルスドローの第1シードにジョコビッチが収まっている。

 ジュネーブ・オープンは四大大会の「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレーコート)の前週に行なわれる最後の前哨戦。先日「イタリア国際」(ATP1000)でまさかの3回戦敗退を喫し、今季ここまで12勝5敗と調子が上がらないジョコビッチとしては、全仏前に最終的な調整が必要と判断したのだろう。

 興味深いのは、かつて「ビッグ4」として競い合ったアンディ・マリー(イギリス/77位)もこの大会のWCを獲得しており、1回戦でヤニック・ハンフマン(ドイツ/59位)と対戦。これに勝つと、2回戦から登場するジョコビッチと激突するドローとなっている。往年の名勝負が再び見られるか? もし実現すれば、2017年1月のドーハ大会決勝以来の直接対決となる。
  もう1つ、日本のファンにとって重大なニュースは、出場を予定していた元世界ランク4位の錦織圭(現356位)が欠場したことだ。度重なるケガからの復活を期す錦織は、3月下旬の「マイアミ・オープン」(WTA1000)で約8カ月ぶりにカムバック。しかしその後はヒザの故障で戦線離脱し、クレーシーズンに入っても大会にエントリーしてはキャンセルが続いていた。

 ジュネーブ・オープンにはプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位で出場予定だったが、ドローに錦織の名は見られず...。この状況だと間近に迫った全仏オープンの出場も不安視されるところだ。

 なおジュネーブ・オープンにはジョコビッチに続くシード勢として、第2シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/7位)、第3シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/13位)、第4シードのベン・シェルトン(アメリカ/14位)らが出場。もう1枚のWCには復活途上にある元10位のデニス・シャポバロフ(カナダ/126位)が選ばれており、豪華な顔ぶれが揃っている。

構成●スマッシュ編集部

【画像】ジュネーブ・オープンのシングルスドロー

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