F1第7戦エミリア・ロマーニャ・グランプリ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は印象的なパフォーマンスを各セッションで発揮してみせた。

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 ファクトリーのスタッフたちもスタンドから見守るホームレースでの週末、フリー走行2回目では全体3番手につけ、予選でもQ2を3番手でクリアしての自己最高の7番手。決勝ではいきなりポジションを落とす悪いスタートを切ったものの、状況を的確に読んでニコ・ヒュルケンベルク(ハース)をアンダーカットし、粘りと安定のドライビングでチームにポイントを持ち帰った。
  Q3でのアタック、決勝でのスタートなど、課題は残しながらも、またもトップ5に割って入り、結果も残した24歳に対し、各方面から賛辞が寄せられている。そして、各国専門メディアの評価も一様に高く、また10点満点の採点もほとんどが高い数字をこの日本人ドライバーに与えている。

 英国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』は「8」で、寸評では「メルセデスの2台に割って入るなど、予選で輝いた角田の素晴らしいパフォーマンスが再び決勝でも見られた。ただスタートが鈍く、ローガン・サージェントによるトラフィックが日本人ドライバーの進行を妨げた」と、その週末を振り返った。

 同国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「活気に欠けるレースの中で、角田は他の多くのドライバーよりも忙しい午後を過ごしたが、素晴らしい予選パフォーマンスを考えると、ややガッカリした気持ちでサーキットを去ったかもしれない。しかし彼の最高の成果は、ハードタイヤを50周にわたって大事に扱い、ポイントを獲得したことだった」として、こちらは「7.5」としている。

『MOTORSPORT WEEK』の採点も「8」と高く、「ファエンツァに拠点を置く角田とRBは、素晴らしいホームレースでの週末を楽しんだが、角田は予選7番手に少しばかり失望を示した。決勝ではスタートが悪く、最初のコーナー前でポジションを幾つか下げたが、彼とチームは戦略を通じてヒュルケンベルクからポジションを取り戻すことに成功した。その後は戦略によって他のライバルにはポジションを譲ることになったものの、それでも力強い週末を送り、RBにとって非常に重要なポイントを獲得した」とポジティブに評した。
  一方、『TOTAL MOTORSPORT』は「予選Q2で非常に印象的なラップタイムを記録して全体3番手の速さを見せ、人々を驚かせたが、Q3でそれを繰り返すのには苦労した。また、レース中盤にはサージェントに対して見事なオーバーテイクを決めた。もし、レッドブルが見ていたならば、日本人ドライバーの素晴らしい走りに注目したことだろう」と称賛し、採点は「7」を付与している。
  オランダのF1専門サイト『RN365』は「8」とし、「RBの早めのピット戦略により、角田はヒュルケンベルクの前に出ることができた。そしてそこから日本人ドライバーは、チームのためにポイントを取り戻そうと懸命に走った。彼の週末のハイライトは間違いなく予選のパフォーマンスで、Q3の終わりに7番手に跳ね上がった」。『GPBLOG』は「7」で、「再びチームメイトを凌駕した角田の力強いパフォーマンス。日本人ドライバーは予選で素晴らしい走りを見せ、当然のごとく決勝ではポイントを獲得した」と称賛した。

 スペインのF1専門サイト『F1i.com』の採点は「7.5」で、「今季の通算獲得ポイントに新たな1点を加え、チームメイトであるダニエル・リカルドに再び勝利したことは、角田にとって良いことばかりだ。しかし、イモラでの彼の最も思い出深い瞬間は、フリー走行2回目での3番手だろう。予選ではQ3に進出し、メルセデスの2台に割って入ることに成功した」と、初日から好調だったことを強調し、決勝のパフォーマンスについても以下のように言及している。

「しかしリカルド同様、決勝ではスタートに問題があり、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とヒュルケンベルクにポジションを奪われて、その後はトップ10に留まるための戦いとなった。終盤でピットインを遅らせたセルジオ・ペレス(レッドブル)とランス・ストロール(アストンマーティン)にポジションを奪われたにもかかわらず、角田はポイントを守った。今週末も成熟した冷静なパフォーマンスを見せたことは、称賛に値する」
  スポーツ専門サイト『sportskeeda』も「8」の高評価を下し、「チームメイトと比べて、ユウキは力強い週末を過ごした。彼はもっと多くのポイント望んでいただろうが、残念ながらそれはならなかった」と、今回のチーム内バトルで勝利したことを伝えた。
  英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、今回もドライバーをランキングで評価し、角田は実際の順位を大きく上回る「6位」。寸評では、「今週末の初めから、熟知しているコースで絶好調だった。しかし予選では、Q2で好結果を出していたにもかかわらず、Q3ではタイムを十分に出し切れずに終わった。決勝ではスタートの問題により、9番手に下がったが、ピットストップでヒュルケンベルクをアンダーカットしてポイントを確保した。彼にとって、またしても良い週末の仕事だった」と賛辞を贈っている。

 なお、F1公式サイト『F1.com』は、イモラでの「6人の勝者と5人の敗者」という記事の中で、角田を前者のひとりに選定。「角田は今週末のイモラにおけるスターのひとりだった。この日本人ドライバーはプラクティス、予選、そしてレースでも速さを見せた」と綴り、以下のように続けている。

「シーズン最高記録となる7番グリッドからのスタート失敗で、RBドライバーは2つ順位を落としたが、ポジションを守るためにチームは彼を早めにピットインさせ、最後のハードタイヤでの長いスティントを残した。それでも角田は冷静さを保ち、印象的なペース管理で最終的にポイントを獲得。これで彼は、直近の5戦で4回目のポイントフィニッシュを飾っている」

構成●THE DIGEST編集部

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