本格的な春の登山シーズンを前に県警察本部に新たに設けられた部隊が12日、宇都宮市内の山で遭難した人を救助する訓練を行いました。

宇都宮市の古賀志山で訓練を行ったのは県警察本部地域課に、この春発足したばかりの山岳警備隊の隊員6人です。登山ブームを背景に山での事故が増えていることから新たに設けられたもので、隊員の年齢は26歳から48歳まで、登山歴30年というベテランもいます。

訓練は滑落した登山者がけがをして救助を求めているという想定で行われ、隊員たちは地図を確認しながら現場を目指します。歩き始めて40分ほど、標高340メートルの岩場に到着しました。現場に駆け付けた隊員が遭難者役を務めた別の隊員を背負うと約15メートルの高さをロープを使って全員で協力して引き上げていきました。

県警によりますと県内では去年1年間に山岳遭難が72件発生し、遭難者の数は82人にのぼっていて、去年10月には那須町の朝日岳で4人が亡くなる事故も起きています。

発足したばかりの山岳警備隊ですが、今月6日に日光市内で発生した山岳事故ですでに救助活動に当たっていて、隊員たちは自らの安全を第一に確実に救助するための連携を深めていました。