新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性のインフルエンザと同じ5類に移行されてから8日で1年が経ちました。県民の意識や飲食店が集中する繁華街の様子はこの1年でどう変わったのでしょうか。

多くの飲食店が立ち並ぶ栃木県内一の繁華街、宇都宮市中心部のオリオン通りです。新型コロナの5類移行で感染対策が個人の判断となった1年前の5月8日はマスク姿の人が目立ちました。しかし、今はマスクを着けている人はかなり少なくなりました。

県民からはコロナを意識することはないといった声があった一方、感染対策は変わらず行っているという人もいました。

通りを歩いてみますと、まだオープンして日が浅い飲食店が目につきます。オリオン通り商店街振興組合によりますと、5類移行後に、新たに3店舗から4店舗がオープンしました。近年は、空き店舗に飲食店が入るケースが増えて組合に加盟するおよそ120店舗のうち7割から8割が飲食店になり、新規でのオープンは特別多くはありませんが、夜の人出は、コロナ禍前を上回ってきたということです。

オリオン通りにほど近い場所にあるバー「ザ・ケイブ」です。バーのオープン時間としては早い午後5時の開店とともに常連客のグループが訪れ、席を埋めました。

店主の大塚一人さんです。大塚さんがここに店を構えたのは、2回目の緊急事態宣言があった2021年1月。夫婦ともにバーテンダーでオリジナルカクテルやウイスキーの種類の多さはもちろん、本格的な手作り料理を楽しめる今までにないバーを作りたいと飲食業界が最も厳しい時期に営業をスタートさせました。売り上げは、ほぼゼロの時もありましたが、コロナとの共生が進むにつれ客足は伸び、5類移行後は、グループでの利用が格段に増えたということです。

日常生活はほぼコロナ禍前に戻りつつも厚生労働省が先月(4月)発表した最新の人口動態統計によりますと、去年5月から11月までに合わせて1万6千人余りの人が新型コロナで亡くなっています。

福田富一知事は、5類移行から1年が経ったことについて「次の感染症の危機時に迅速かつ的確に対応できるよう体制の構築に努めている。現在感染状況は落ち着いているが流行状況に関心を持ちながら適切な対策を行ってほしい」と呼びかけました。