西武のドラフト1位左腕・武内夏暉投手(22)が11日、出場選手登録を抹消された。

 先発陣では右肩の張りで二軍調整していた高橋光が14日のソフトバンク戦(ベルーナ)で今季初登板する予定。これにより、日曜日に登板していたローテで回っていた松本が武内が抜けた水曜日に回る見込みとなった。5月最終週まで6連戦がない中、ボーを含めたローテ投手は7人。ルーキーの武内を予定通り一度やすませ、登板間隔を空ける狙いがある。

 武内はデビュー戦となった3日のオリックス戦(ベルーナ)で7回を85球、1安打無失点7奪三振の好投。初勝利を挙げ、10日のロッテ戦(同)では7回88球を投げて序盤に3四死球と制球に苦しんだものの、4安打2失点で2試合連続のハイクオリティー・スタート(7回以上を自責点2以内)を決めた。ドラ1指名で3球団が競合した即戦力左腕が、下馬評通りの実力を示している格好だ。

 編成サイドからは武内の順調な滑り出しに「(身長186センチの)あの角度から出力の高いボールを(打者の)右左に関係なくインサイドに投げ切れるコントロールが武内の長所。それがあるから四球から崩れることがない」と安堵の声が聞こえてくる。

 10日のロッテ戦では初回に上田、3回にポランコと左打者2人に死球を与えた。内角へのツーシームを制球しきれなかったが、その球種を中盤からは左打者の内角から外角にコースを変えて投げることで投球を改善。何かがダメな場合でも応用を利かせて修正する能力も持ち合わせている。

 基本的に左打者にはツーシーム、右打者には懐をえぐるクロスファイヤーで内角を意識づけ、外角に踏み込ませないための〝距離〟を作ることで投球の幅を広げるタイプの左腕。ロッテ戦後には「追い込んでからの失投が目立ったので、次回の課題として追い込んでからの投球精度、コースに投げ切れるように改善していきたいです」と話し、制球に対する修正力への自信が自然と口をついていた。