F1ハースに対して、昨季までチームを率いたギュンター・シュタイナー前代表(59)が雇用契約違反で提訴した。

 ハースは昨季、製造者部門で最下位に低迷したこともあってシュタイナー氏を更迭。代わりに小松礼雄代表が電撃就任して、今季は躍進を見せている。

 そうした中、シュタイナー氏がハースとの雇用契約を巡って法的措置に打って出た。

 オーストラリアのモータースポーツ専門メディア「スピードカフェ」は「元チーム代表のギュンター・シュタイナーがハースF1を告訴。2024年まで雇用されなかったことを受けて、雇用契約違反でハースF1チームを訴えている」と報道した。

 シュタイナー氏が争点としているのは解雇ではなく、報酬の不払いと肖像権の侵害だ。

「法廷文書によると、シュタイナー氏が雇用契約違反で法的措置を講じていることを明らかにしている」と同メディアは指摘した上で「ハースはシュタイナー氏が得た利益を差し引くことはできない。代表として21年1月1日から23年12月31日まで雇用契約が続いた。その契約には、翌年1月に年次ボーナスを支払うことが含まれていた。シュタイナー氏は解雇日までに得た基本給およびその他の報酬のすべてを受け取る権利があるが、訴状では『そんなことは起こらなかった』と書かれている」と、契約にある中でボーナスなど一部の報酬が支払われていないと主張している。

「また、チームが彼の名前と肖像を許可なく使用し続けているとも主張している」として、こう続ける。

「シュタイナーは世界のモータースポーツ界でカルト的な人気を誇っている。チームはシュタイナーのイメージ、名前、名言などを記した一連のTシャツを制作したが、ハースには、シュタイナー氏との雇用契約終了後、その名前、イメージ、肖像を使用したり、いかなる形式のメディアでも使用したりする権利はないと裁判所の提出書類には詳細が記されている」

 ハース側がシュタイナー氏の肖像権を無断使用して補償も行っていないとの主張だ。

 小松代表のもと脚光を浴びるハースだが、シュタイナー氏との場外バトルも熱を帯びてきそうだ。