F1ハースのケビン・マグヌッセン(31)が暴走を連発して騒動に発展している問題で、小松礼雄代表らチーム側の責任を追及する声が上がっている。

 マグヌッセンはマイアミ・グランプリ(GP)で〝ラフプレー〟が相次ぎ、史上初となる累積による出場停止に王手がかかるピンチに。今季は中国GPでもRBの角田裕毅(24)に対して無謀な運転を仕掛けてリタイアに追い込むなど、暴走問題がF1界で波紋を広げている。

 そうした状況の中で、オランダのモータースポーツ専門メディア「レーシングニュース365」はこの問題を取り上げて「ここで疑問が生じる…マグヌッセンはハースの汚い仕事をしたとして罰せられるべきなのか」と題して特集した。

「本質的に、この状況は次のように揺れ始めている。マグヌッセンはハースの汚い仕事をしており、チームの利益のためにペナルティーを積み上げている。そして今や彼はレース出場停止のリスクに直面しているだけでなく、シートを完全に失う可能性すらある」とマグヌッセンの暴走行為には、小松代表が指揮するチームの責任もあるとの主張を展開した。

「彼はチームのために、そしてF1での自分の地位のために戦うドライバーでもある。彼にとって何の利益もないことで罰せられるべきなのだろうか? ハースを叱責するもっと良い方法はないものだろうか?」と同メディアはチーム側にも処罰を下すべきと提言する。

 続けて「問題の一部は、チームがここでもっともらしい否定を行っていることだ」とこの問題に関するハース側の姿勢を批判。さらに「ハースをどのように処罰するのか、なぜマグヌッセンがルール違反により処罰されないのかという明白な問題は言うまでない。ただ、問題のどこにたどり着いたとしても、問題自体は依然として残る。F1があいまいさを一掃し、ハースのようにペナルティーシステムを悪用できるかぎり、裏戦術は引き続き使用されるだろう」と現在のペナルティー制度の欠陥を問題提起しつつ、それをハースが〝悪用〟していると糾弾した。

 マグヌッセン暴走騒動は、小松代表ら現体制の責任問題にも発展しそうな雲行きだ。