F1ハースのケビン・マグヌッセン(31)が暴走を連発している問題について、まさかの〝開き直り〟を見せた。

 マグヌッセンは前戦のマイアミ・グランプリ(GP)で、決勝はローガン・サージェント(ウィリアムズ)に追突してリタイアに追い込み、スプリントでもルイス・ハミルトン(メルセデス)とのバトルで合計35秒のタイムペナルティー処分を受けた。

 今季はほかにも中国GPでRBの角田裕毅(24)に対して無謀な運転を仕掛けてリタイアに追い込むなど〝ラフプレー〟を連発。ペナルティーポイントが10に達し、史上初となる累積による出場停止に〝王手〟がかかり、F1界で大きな騒動となっている。

 そして窮地で迎えるエミリアロマーニャGP(19日決勝)を前に、マグヌッセンが暴走問題について口を開いた。その様子をデンマークメディア「スポーツフォーカス」などが詳報した。

 まず、危機的状況を受けて戦術を変える必要について「そうしなければならないと思う」と答えたマグヌッセン。だが続けて「でも分からない。私が同僚のサポートの役割を果たさなければならない状況は成果を上げているんだ。それは我々にとって貴重なものだから」とチームのために今後も際どい運転を辞さない覚悟を示した。

 すると今度は開き直り、現状のルールに批判の矛先を向ける。「私はこのルールが好きじゃない。それが可能なんだからね。それならまったく不可能であることを望むよ。私がルールを決めたわけではないので、検討すべき点はある」と国際自動車連盟(FIA)の定めるルールに瑕疵があると非難した。

 そして、マイアミGPにおける自身の反則運転も〝正当化〟。「舗装路の一部の白線の外側を走行したことで出場停止の危険にさらされているという事実は、果たしてそれが正しいのかどうか分からない」。さらに「導入当時よりも今ではレースの数が増えている。〝非常に些細なこと〟で出場停止処分を受ける可能性があるなんて…。それが私が感じていることだ」と持論を展開した。

 FIAへの不満は尽きない様子で「私はインディカーでレースをしたことがあるが、そこでのレース方法が大好きだね。ルールは非常に明確でシンプルで、レースは素晴らしいと感じる」と強調。最後には「世界最高のドライバー20人の間でのレースは素晴らしくなければならない。F1ドライバーは速いだけでなく、レースも非常に上手だということをアピールしなければならない」と再び自身の反則運転はテクニックの一つだと強弁した。

 マグヌッセン問題の波紋は広がるばかりだ。