陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続ファイナリストのサニブラウン・ハキーム(25=東レ)が、欧州でさらなるレベルアップを誓った。

 サニブラウンは21日に、東京・羽田空港で取材に応じた。19日に国立競技場で行われたセイコー・ゴールデングランプリの同種目決勝では脚をつった影響もあって10秒97で8位止まり。パリ五輪の参加標準記録(10秒00)に届かず、今大会での五輪内定は持ち越しとなったが「年に一回くらいしか(日本では)走れないけど、国立にもたくさんの人に足を運んでもらってうれしかった」と感謝の思いを口にした。

 今後は練習拠点をイタリアに移し、パリ五輪に向けての調整を進めていくことになる。「(走る)本数も増えていく。ベースはもうできているので、ラウンドに耐えられる体づくりと、これまで課題にしてきた最初の30メートルの感覚を今季になってつかめてきたので、そこを平均的にレースで出せるようにできれば」と展望した。

 さらに、欧州で楽しみにしていることについて問われると「やっぱりご飯」と即答。これまでは米国に練習拠点を置いていたが「肉ぐらいしかない。欧州はパスタもあるし、野菜も果物もおいしい」と笑顔を見せた。

 パリ五輪までは約2か月。目標とする金メダルに向けて「実感はあまりないけど、気づいたらパリなんじゃないか、とはずっと思っている。今季どれだけ行けるかというのが一番楽しみなので、一日一日を大切にしていきたい」と力を込めた。