八戸工業大学などは4月から、一定の技能を持つ外国人労働者を人手不足の分野で受け入れる在留資格「特定技能」の取得を支援するプログラムを始めた。来日した人が特定技能の資格取得に向けた科目を同大で受講し、人材を受け入れる企業が費用の一部を負担する。既に青森県六ケ所村の2社が1人ずつの採用を内定。関係者は現場で中長期的に活躍できる人材の獲得につながる−と期待を寄せる。

 取得を目指すのは最長5年滞在できる「特定技能1号」で、基本的な日本語を理解できる「N4」レベル以上の試験に合格して、分野別の技能評価試験にも受かる必要がある。

 1期生となるミャンマーからの8人は日本語の基準を満たしており、半年で技能評価試験に合格して、10月からの就労を目指す。分野は建設または自動車整備で、在学中は現場でアルバイトをして経験を積む。原則企業が学習費用の一部を立て替え、3年勤めた場合は返還を免除する。

 同大によると、技能評価試験は一定程度の専門性が必要で、自国で試験対策をするのは難しいという。同大で試験に必要な科目を学び、さらに実務に必要な測量などの知識も身に付けることで、即戦力となる人材を育成する。今後は、熟練した技能が必要で事実上永住も可能な「2号」の取得支援も視野に入れている。

 建設分野で採用を内定した六ケ所エンジニアリング(六ケ所村)の附田妙子社長は、専門資格を持つ技術者の確保が難しくなっている現状を踏まえ「10年、20年先を考えると、外国人材の採用に取り組んでいく必要がある」と話す。政情不安が続くミャンマーの技術者を支援する側面もあるとして「意欲のある人を育成して、地元企業のロールモデルになれれば」という。

 18日は同大で入校式が行われた。8人のうち、六ケ所エンジニアリングに内定したトゥザーウィンさん(28)は「ミャンマーで働く中で日本の建築技術の高さを知り学びたいと思った」と話した。附田建設(同村)内定のチョージンテッさん(22)は「建設技術、安全な作業法を学び、企業に貢献できる技術者になりたい」と意気込んだ。