牝馬ながらホープフルSを制したレガレイラが皐月賞も制圧へ
牝馬ながらホープフルSを制したレガレイラが皐月賞も制圧へ

皐月賞2024

[GⅠ皐月賞=2024年4月14日(日曜)3歳、中山競馬場、芝内2000メートル]

 昨年はソールオリエンスが豪快な差し切りV。〝時代到来〟を感じさせたが、その後は未勝利…。先の大阪杯こそベラジオオペラが一矢報いたものの現4歳牡馬のレベルには疑問が残ったままだ。そんな低調ムードは、リバティアイランドを筆頭とした牝馬路線の活況とのコントラストも大きく影響していよう。今年も桜花賞でハイレベルな走りを見せた3歳牝馬戦線に対し、主役不在で混とんとした3歳牡馬戦線。ここから始まるクラシック3冠で前評判を覆していくのか? それとも〝女性上位〟の現4歳世代のような道を歩むのか?

 そんな観点でも牝馬レガレイラ(木村)の参戦はレースをより興味深くさせる。1984年のグレード制導入後、4頭目となる牝馬による皐月賞挑戦。過去3回は91年ダンスダンスダンス(5着)→2014年バウンスシャッセ(11着)→17年ファンディーナ(7着)と結果が出ていないが、今回はすでに牡馬相手のGⅠホープフルSを制しての参戦だから過去とは事情が異なる。送り出すのは数々の常識を覆してきた木村厩舎。ここで歴史的Vを成し遂げる可能性は高そうだ。

 迎え撃つ牡馬勢も意地を見せたいところ。最優秀2歳牡馬ジャンタルマンタル(高野)は今年初戦の共同通信杯では折り合いを欠いて2着に敗れた。それだけにさらなる距離延長、そしてコーナー4つの競馬への対応はカギ。それらをクリアして2歳チャンプの力をここで見せつけられるか。同馬が2着した共同通信杯組は過去10年で5勝と皐月賞との関連性は高い。ジャンタルを破ったジャスティンミラノ(友道)、朝日杯2着エコロヴァルツ(牧浦)らもマークは必要だろう。

 ホープフルSではレガレイラの2着に敗れたシンエンペラー(矢作)は前哨戦の弥生賞でも2着。勝負どころでの反応の鈍さを見せてもうひと押しの競馬が続くが、3戦連続の出走となる当地の経験値は大きなアドバンテージとなる。また、矢作厩舎は若葉Sワンツーで権利を取ったミスタージーティー、ホウオウプロサンゲとの〝三本の矢〟で1冠取りを狙う。

 弥生賞でシンエンペラーを破ったコスモキュランダ(加藤士)はデビュー2戦目から6戦連続で芝10ハロンに出走している。長くいい脚を使える強みはいかにも中山芝10ハロン向き。モレイラという最強の相棒を得て、祖父ディープインパクト→父アルアインに続く父子3代での皐月賞制覇を目指す。

 ビザンチンドリーム(坂口)は新馬→きらさぎ賞を連勝し、昨年のソールオリエンス同様に2戦2勝のキャリアで臨む。気性面の課題ゆえ決してスムーズな立ち回りではなかったきさらぎ賞も大接戦とはいえ強い勝ち方であり、初戦Vのムルバザバエフに戻ってどんなパフォーマンスを見せるか注目だ。

 ほかにも皐月賞最多勝騎手=M・デムーロ(4勝)のサンライズアース(石坂)、皐月賞最多騎乗騎手=横山典(32度目)のダノンデサイル(安田)、史上3頭目(1984年以降)の毎日杯勝ち馬による皐月賞Vを狙うメイショウタバル(石橋)なども争覇圏に入ってきそうだ。

著者:東スポ競馬編集部