超異例! JRA小牧太騎手が地方騎手免許試験の受験を決断「園田で第3のジョッキー人生を」

「もう一度新たな挑戦として、地方競馬の騎手免許試験を受験します」

 11日、交流レース出走のために訪れた園田競馬場で8鞍の騎乗を終えたJRA騎手・小牧太(56)が古巣の報道陣の前で力強く宣言した。

「ここ5年ぐらいですかね。お世話になっていた先生(調教師)の引退とかで騎乗依頼が集まらなくなって、常に引退が頭をかすめてました。自分ではまだまだ乗れると思っても、馬が集まらないことには結果を出せませんから」

 そんな胸の内を打ち明けたかつての園田エース。決断に至るまでは苦悶の日々が続いたという。

「いろいろ考えた結果、騎手会と調教師会も応援してくれるということなので、園田で第3のジョッキー生活をスタートさせようと決断しました。嫁さんは『まだ乗るの?』ってあきれてましたけど(笑い)」

 まさに異例の転身だが、人知れず自信はあったという。小牧は「これまでは交流競走で乗りにきてもエキストラ騎乗は避けてました。毎日攻め馬している若い騎手に申し訳なくて。先週6鞍、今日は8鞍乗りましたが、体の方は大丈夫。すべては試験に受かればの話ですが、乗せてもらえれば結果を出せる自信はあります。60歳まで乗るのが目標でしたから」と、試運転で手応えをつかんだことを明かした。

「JRAの免許を維持したまま受験できるのはすごくありがたいです。年齢が年齢なんで、僕には時間がありません。元・園田のリーディングジョッキーの肩書は通用しないので、今、猛勉強してますが、もっと勉強しないとダメでしょう。でも、頑張りますよ」

 園田では来週から4人の新人ジョッキーがデビュー。時代に逆行するかのような大ベテランの復帰もひとつのカンフル剤と言えるのではないか。オールドファンには懐かしいおなじみのフトシコールが聞ける日が待たれる。

著者:東スポ競馬編集部