大舞台へ挑むビザンチンドリーム
大舞台へ挑むビザンチンドリーム

皐月賞2024

[GⅠ皐月賞=2024年4月14日(日曜)3歳、中山競馬場、芝内2000メートル]

 2月のGⅢきさらぎ賞を制し、無傷の3連勝でのクラシック制覇を狙うビザンチンドリーム(牡・坂口)。開業6年目を迎える坂口調教師にとってこれが初の平地GⅠ挑戦となるが、その大舞台でいきなり戴冠を果たすビッグチャンスがやってきた。

 輸送前日の12日朝はゲートを確認したのち、坂路を1本駆け上がった。「頭を上げてガァーッとしてしまうのを直すため、中間はハミをトライアビットに替えてクロス鼻革を着けています。後者は効いているな、と思いますし、ハミについても最終追い切りに乗った(国分)優作さんが『このハミで良さそう』と言っていました」と担当の久保助手は感触を伝える。

 過去2戦とも、スタートの出遅れが目立つビザンチンドリーム。前走は少しでも仕掛けが遅れていれば差し届かなかった危うさもある。今回に関しても久保助手は「練習をしてもゲートは出ないので、これまでと同じような競馬になると思います。あとはどこで仕掛けるかでしょう」と末脚勝負に懸ける算段だ。その意味では、新馬戦と今回の1週前追い切りにもまたがり、本馬の背中を知るムルザバエフが手綱を取るのは心強い。

 前走時、「馬房で一頭だけになるとうるさくなったり、寂しがりやな面がありますね」と課題を指摘していた同助手。まだ心身ともに成長の余地を残す現状ながらも、前走のラストスパートを見れば分かるように、秘めるポテンシャルは相当高い。「寂しがりやな面はいくらか成長しています。今回は輸送がありますから、体重が大きく減らなければいいですね」(久保助手)

 あとはビザンチンドリーム自身がいかに挙げられた課題を克服してくれるかだろう。それらを乗り越えた先には――陣営悲願のクラシック制覇のユメが待っているはずだ。

著者:東スポ競馬編集部