横山武騎手(左)も丁寧に教えてくださいました!
横山武騎手(左)も丁寧に教えてくださいました!

[GⅠオークス=2024年5月19日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル]

【トレセン発秘話】
 はじめまして。このたびレース部に配属になりました新入社員の栗栖歩乃花です! 休みの日はほぼ野球観戦に行くほどの野球好きで、競馬は初心者なのですが、その魅力を少しでも多くの方々に、分かりやすくお伝えできるように頑張ります!

 注目したのはオークスに出走するアドマイヤベルです。実は先月、研修で美浦トレセンに来た時にそのお顔(瞳や白い鼻筋)、キレイな栗毛に「かわいい!」と注目していたところ、その週のフローラSで1着。これも何かの縁だと思い、今回いろいろと取材させていただきました。

 まずは追い切りなのですが、その前に競馬知識のない私は、いろいろなところが気になって仕方がありません。例えば、ウッドコースに入る前、他の馬は3〜4頭で輪になって歩いているのに、ベルちゃんは1頭でぐるぐる。まずはそのことから加藤征調教師に尋ねてみると「他の馬に近づけると気持ちが高ぶってしまうので高ぶらないように。他の馬に蹴られてしまう可能性もあるから危険防止のためにも」と教えてくださいました。

 では、いつもベルちゃんのそばにいる加藤征師は、走り以外のどんなところに注目してほしいのでしょうか。その魅力を聞いてみると「肌つや!」と即答。でも、どうしてそれが実現できるのだろう…私が気になったのはベルちゃんに対する「精神的に追い込まないようにしている」というスタンスでした。そもそもベルちゃんは穏やかな性格なのですが「激しいトレーニングをすると食欲が湧かないこともある」そうで、だからこそ今週の追い切りも単走。そのかいあってか「追い込まれず、短時間でご飯を完食したよ」(加藤征師)。

 馬の特性に合わせた調整のおかげで体調も食欲もバッチリなら、肌つやも良くなりますよね。まさに美しさの秘密だと思いました。ちなみに「犬は飼い主に似る」といいますが「馬も調教師に似る」のでしょうか。加藤征師と穏やかな性格も重なりました。

 さて、そんなベルちゃんにオークスで騎乗するのは横山武史騎手です。前走が初コンビでしたが、その印象について共同会見では「調教では難しい口(向き)を見せるときがあるけど競馬ではそんなことなくてすごく乗りやすかった。いい意味で思ってたのと違って良かった」。初めての2400メートルについても「あの折り合いなら大丈夫」と話されていましたが、その後、改めてお話を伺うと、私みたいな競馬初心者にも分かるように、こんな紹介をしてくれました。

「見た目通りすごくかわいい馬ですし、顔だけじゃなくて性格もすごくかわいい。数字(成績)も勝っていて強いんですけど、プラスアルファそういった部分も兼ね備えていますね」

 走る姿はもちろん、そういったかわいさを見るために競馬場に出かけるのも楽しみ方の一つですよね。加えて、横山武騎手の優しい表情からは馬への愛情を深く感じましたし、前述の加藤征師も同様。トレセンに来て、競馬の魅力は人と馬との絆にあると感じ始めているところですので、今後もそのあたりをお伝えできるように頑張ろうと思います。(栗栖歩乃花)

加藤征弘調教師に取材する新人の栗栖記者(左)
加藤征弘調教師に取材する新人の栗栖記者(左)

著者:東スポ競馬編集部