オークス2024

[GⅠオークス=2024年5月19日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル]

 現代競馬における最重要ポイントは牧場=トレセンの連携。ぶっつけでのGⅠ挑戦、1か月程度のレース間でも放牧に出ることが少なくない現状では、これがうまくいくかどうかが勝敗を左右する。

 先週のヴィクトリアマイルは3連単91万6640円の大波乱。とはいえ、馬券内3頭はすべて外厩を活用していた馬(1着テンハッピーローズ=山岡トレセン、2着フィアスプライド=ミッドウェイファーム、3着マスクトディーヴァ=山元トレセン)。前2戦のGⅠは在厩調整馬が勝ってきたが、やはり外厩は現代馬券戦略とは切り離せないものだ。

 さて、今週のオークスではノーザンファーム東西の〝総本山〟である「天栄」と「しがらき」を活用した馬がそれぞれ4、3頭と例によって多数の馬を送り込んでいる。

 滞在期間を見るとちょっとした特徴が見て取れる。というのはしがらきを使った馬は3頭すべて4月中にトレセンに戻ってきているのだが、天栄活用馬は4頭すべてが5月まで同地で英気を養っているのだ。

 これはまさに地の利? しがらき活用馬はその後の栗東から東京への輸送を考慮すれば、やや早めに戻さないといけなかったのに対して、天栄→美浦組は余裕を持って外厩で調整できたということでは?

ノーザンファーム天栄が送り出すミアネーロが女王の座を狙う
ノーザンファーム天栄が送り出すミアネーロが女王の座を狙う

 ミアネーロはフラワーC勝利後、約1か月半の間を天栄で過ごし、美浦に帰厩して4日目に早くもウッドで5ハロン68・5秒の3頭併せを消化している。そのラスト1ハロンは実に11・0秒の切れ味だった。天栄との連携がうまくいったからこその好稽古だろう。

 林調教師は最終追い切り後に「先週より俊敏になった」と青天井の動きの良さに目を細めていた。天栄活用馬は大本命ステレンボッシュも同様だが、この〝1強〟を崩し得るのもまた、天栄に他ならない。

【オークス出走馬の外厩利用状況】

1枠1番ミアネーロ
ノーザンファーム天栄(福島県)3月22日〜5月1日

1枠2番クイーンズウォーク
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月11〜26日

2枠3番エセルフリーダ
在厩調整

2枠4番パレハ
大山ヒルズ(鳥取県)4月10〜23日

3枠5番コガネノソラ
在厩調整

3枠6番サンセットビュー
在厩調整

4枠7番ステレンボッシュ
ノーザンファーム天栄(福島県)4月10日〜5月3日

4枠8番ホーエリート
山元トレーニングセンター(宮城県)3月20日〜4月23日

5枠9番ラヴァンダ
在厩調整

5枠10番アドマイヤベル
在厩調整

6枠11番ヴィントシュティレ
ノーザンファーム天栄(福島県)4月25日〜5月8日

6枠12番チェルヴィニア
ノーザンファーム天栄(福島県)4月11日〜5月3日

7枠13番スウィープフィート
宇治田原優駿ステーブル(京都府)4月9〜30日

7枠14番ライトバック
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月9〜25日

7枠15番サフィラ
ノーザンファームしがらき(滋賀県)2月14日〜4月24日

8枠16番ショウナンマヌエラ
在厩調整

8枠17番タガノエルピーダ
在厩調整

8枠18番ランスオブクイーン
在厩調整

※2024年 GⅠ馬券圏内を送り込んだ外厩ランキング

【1位】ノーザンファームしがらき=1着2回、3着1回

【2位】ノーザンファーム天栄=1着1回、2着3回

【3位】チャンピオンヒルズ=1着1回、2着1回

【4位】山岡トレーニングセンター=1着1回

【5位】宇治田原優駿ステーブル=2着1回、3着1回

【6位】ミッドウェイファーム=2着1回

【7位】山元トレーニングセンター=3着3回

【8位】大山ヒルズ、Tоmоrrоw Farm=3着1回

※在厩調整=1着3回、2着2回
※外国馬=3着1回

著者:東スポ競馬編集部