相模原市内の11の公共施設で導入されている「ネーミングライツ」。相模原市はこのほど、利用を促進して財源確保を図ろうと、1企業につき2施設までの制限数を廃止した。

スポーツ・文化施設などの名称にスポンサー企業の社名や商品名を付与する権利を売却し、財源確保に充てる「ネーミングライツ制度」。相模原市では2011年に相模原球場で導入して以降、文化会館や科学館、体育館でも導入してきた。現在は11施設10社からネーミングライツ料として年間4184万円を得ている。

その他の自治体では横浜市で15施設、川崎市で11施設、さいたま市で6施設で導入。横浜市や川崎市では大型スポーツ施設の他に、歩道橋やトイレなどに採用されている例もある。

相模原市アセットマネジメント推進課によると「日産スタジアムなど全国的なイベントが行われ、高額な契約を結ぶ施設もあるので、契約料の比較はできないが、相模原市は協力いただいている地元企業が多く感謝している」と話す。

相模原市では、選定施設の契約料や期間などを市側が決めて募集する「募集型」と、民間の自由な発想による導入を図るために企業などから契約を希望する施設・契約料・期間などの提案を受け付ける「提案型」の2種類の募集方法を採用している。

相模原市はこれまで、契約可能な施設数を1企業等につき2施設までに制限していたが、企業から多くの提案があったことから、この条件を撤廃し、3月15日から4月12日まで提案型の募集を行っている。

同課の担当者は「ネーミングライツは厳しい財政状況を助ける有効な手段の一つ。市役所などの行政施設、学校などの教育施設は対象外だが、図書館・公民館などを対象に加える可能性はある。条件緩和など間口を広げ、多くの企業に参加頂けるよう検討していきたい」と話した。