あつぎ郷土博物館てい(下川入)で、江戸時代の「鷹狩」の名残を伝える古い地図が注目を集めている。市内の睦合地域にテーマを絞った展示の一環だ。

鷹狩を好んだ武将の一人が徳川家康。中原御殿(平塚市)の周辺で鷹狩をした時には厚木市の溝呂木家で休憩し、茶がふるまわれたとも伝わっている。

厚木は江戸からも近い場所という事もあり、鷹を訓練する「鷹場」や「捉飼場」が置かれた。林村の福傳寺には鷹匠頭だった戸田家の墓所もある。同館に寄託されている古地図のひとつ「林村鷹匠捉飼場定杭絵図」には現在の林神社近くに2カ所の捉飼場があったことが杭の絵で示されている。現在の厚木清川線沿いの緑ケ丘に上る「林」四差路付近と、クリエイトS・D厚木林北店の付近と思われる。当時の名残はないものの、後者には地蔵堂が建っている。

江戸時代の鷹狩ではハイタカやオオタカ、ハヤブサを飛ばし、野鳥や野ウサギなどを捕まえた。体格が良いことからメスが使われた。展示の中には鷹匠や鷹を図解する文書も見学できる。展示は6月23日(日)まで。詳しくは同館【電話】046・225・2515へ。