(一社)横浜青年会議所(横浜JC)は、循環経済社会の実現を目指す「サーキュラーステーションYOKOHAMA」の取り組みを始めた。4月27日には活動のメイン拠点=中区大平町=で開所式が行われた。今後、5カ所の拠点からサーキュラーエコノミーの実践を進める。

横浜JCは2022年度から経済活動の中で廃棄される製品や原材料を資源として活用し、循環させる新しい経済システム「サーキュラーエコノミー」を推進してきた。今年度、広く市民へ情報を発信していくための試みとして初の拠点が作られた。

メイン拠点となるのは築60年の空き家だった場所で、横浜JCのメンバーが休日や平日の夜間に集まり改装した。取り壊した木材を他の場所で活用するなど、廃棄物をなるべく出さないよう工夫したといい、建物自体が循環型経済を体現したものとなった。

もともとこの場所は、空き家の活用を通じて地域課題の解決に取り組む(株)solarcrew=磯子区=が管理していた。使用されていない建物を活用することで、景観や衛生面の問題解決につなげていく。

家庭や企業でも

開所式当日は、廃木材を使用したオリジナルコースター制作のワークショップを開催した。また、ハーチ(株)=横浜オフィス・保土ケ谷区=が市内から出た廃棄物のアップサイクルグッズやアート作品などの紹介と販売を行った。

今後は9月まで11回にわたり、市内5カ所の拠点でサーキュラーエコノミーに関するイベントやワークショップを行う。さまざまな業種、職種のメンバーが所属している横浜JCの強みを生かして地元の団体や企業と連携し、廃材を利用したキーホルダーや万華鏡の制作、地産地消を身近に感じる農業体験、市内で生産される食材を販売するマルシェなどを開催していく。

横浜JCの萩原幸雄理事長は「多くの市民・市内企業の皆様に足を運んでいただきたい。そして家庭・企業に持ち帰り、サーキュラーエコノミーの取り組みを行なっていただきたいと思います」と話している。