その代表例がトーア紡コーポレーションである。同社が使用している3204は、1975年1月に上場廃止になった大和毛織(やまとけおり)という会社が使っていた。一方1949年5月上場のトーア紡が、証券コード誕生時から長年使っていたのは1つ前の3203。2003年に株式移転による持ち株会社化で再上場した際、割り当てられた。

持ち株会社はこのとき新設されたので、そのまま3203を使うことはできない中、次番号は欠番になってから1年以上経過していたので使えたというわけだ。

ただ、証券コード協議会によれば、「コードの再利用をやめてほしいという意見が出たため、証券コード協議会としてはなるべく再利用は避けるという運用が定着した」という。

上場廃止になった会社の多くは、倒産もしくは上場廃止基準に抵触して退場を余儀なくされた会社だ。期待に胸を膨らませて新規に上場してくる会社にとって、そんな会社が使っていたコードを割り当てられたら、縁起でもないと思うのは当然のことだろう。

JR九州が9023にならなかったワケ

実は上場廃止銘柄が使っていた番号以外にも、不自然に飛んでいる番号が存在する。こんな現象が起きるのは、一度も上場をしたことがない会社でも、社債を公募で発行すると証券コードが割り当てられるからなのだ。

たとえば電力会社の場合、9501の東京電力HDから始まり、9509の北海道電力まで、きれいに電力9社の番号が連番になっているのに、沖縄電力だけはなぜか1番飛んで9511。

実は9510は住友共同電力という、一度も上場したことがない会社に割り当てられている。沖縄電力以外の9社は1950年代に上場しているが、沖縄電力の上場は1989年。その間に住友共同電力が公募で社債の発行をしたようなのだ。