ランクル70の「ベージュ」にも似た「サンド」のボディカラーや、ライトグレーの2トーンルーフ、丸目ヘッドライト(オプション)を設定しているのは、その証左であるだろう。

丸目ヘッドライトを標準装備とするFirst Edition(写真:トヨタ自動車) 丸目ヘッドライトを標準装備とするFirst Edition(写真:トヨタ自動車)

サンド/ライトグレーのボディカラーに丸目ヘッドライトを組み合わせれば、さながら“モダンなランクル70”だ。

しかし、メカニズムの面ではランクル70よりもランクル300のほうが近い。プラットフォームは、ランクル300と同じGA-Fプラットフォームを採用する。つまり、現代のSUVのほとんどが採用するモノコック構造ではなく、堅牢性を重視したラダーフレーム構造なのだ。

そういう意味で、ランドクルーザー250は極めて古典的なオフロード4WDである。しかし、先発の兄貴分、ランクル300がそうであったように、ランクル250は2020年代のクルマらしい装備や快適性を備えるのが特徴だ。

はしご(ラダー)型フレームの上にキャビン(ボディ)が乗るラダーフレーム構造(写真:トヨタ自動車) はしご(ラダー)型フレームの上にキャビン(ボディ)が乗るラダーフレーム構造(写真:トヨタ自動車)

たとえば、6つのドライブモードが選択できる「マルチテレインセレクト」や、4つのカメラを使うことでまるで床目が透けて見えるかのような「アンダーフロアビュー/アンダーフロアビュー(後輪)」、フロントスタビライザーのロック/フリーが切り替え可能な「SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)」を搭載。電動パワーステアリングの採用は、ランドクルーザーでは初となるニュースである。

車体下部の様子をカメラ映像の合成で映し出すアンダーフロアビュー(写真:トヨタ自動車) 車体下部の様子をカメラ映像の合成で映し出すアンダーフロアビュー(写真:トヨタ自動車)

現代のクルマとして当たり前の安全機能や運転支援機能にもぬかりはない。「トヨタセーフティセンス」には、「プリクラッシュセーフティ」に加え、危険に近づきすぎないように“リスクの先読み”を行い、運転操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」も導入。

高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能として、一定条件下でハンズオフ(手放し運転)を許す「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」も設定している。その他にもこうした安全機能や運転支援機能は枚挙にいとまがないため、詳しく知りたい人はカタログなどで確認するといいだろう。

ランドクルーザー250のインテリア。直線的なデザインに物理スイッチを配置(写真:トヨタ自動車) ランドクルーザー250のインテリア。直線的なデザインに物理スイッチを配置(写真:トヨタ自動車)

ディーゼル/ガソリン2つのパワートレイン

全グレードに設定されるディーゼルターボエンジン車は、4気筒2.8リッターの1GD-FTV型で、最高出力150kW/最大トルク500Nm。Direct Shiftと呼ばれる8ATを組み合わせる。

中間グレードのVXでのみ選択可能なガソリンエンジンは、4気筒2.7リッターの2TR-FE型で、最高出力120kW/最大トルク246Nm。こちらは6AT(6 Super ECT)との組み合わせ。いずれも、センターディファレンシャルにトルセン®LSDを採用するフルタイム4WDだ。