燃費は、ディーゼルがWLTCモードで11.0km/L、ガソリン車が7.5km/L。走りの面でも燃費の面でも、よほどの理由がない限りディーゼルを選ぶのが自然である。

ただし、実はランクル250にはハイブリッド車やマイルドハイブリッド車も存在している。現段階では海外向けのみの設定となるようで、日本導入も期待したいところだ。

グローバルでは全5種類のパワートレインを用意し、仕向け地ごとにラインナップを変えている(写真:トヨタ自動車) グローバルでは全5種類のパワートレインを用意し、仕向け地ごとにラインナップを変えている(写真:トヨタ自動車)

ランクルのライバルはランクルである

当記事のサブタイトルが「最大のライバルは身内ランクル70/300か?」となっていることに気づいた人もいるだろう。

ランクル250はプラドのフルモデルチェンジ版として、また最新のランドクルーザーとして良くできたクルマであることは間違いない。他メーカーを見ても、独立したフレームを持つ堅牢なSUVは今やほとんどなく、ユニークな存在である。

しかし、だからといってライバル不在というわけではない。ランドクルーザー3兄弟のボディサイズと価格を見てほしい。

<ボディサイズ>
■ランドクルーザー250
全長4925mm×全幅1940〜1980mm×全高1925〜1935mm

■ランドクルーザー300
全長4950〜4985mm×全幅1980〜1990mm×全高1925mm

■ランドクルーザー70
全長4890mm×全幅1870mm×全高1920mm

<価格>
■ランドクルーザー250
520万〜735万円(First Editionは590万〜785万円)

■ランドクルーザー300
510万〜800万円

■ランドクルーザー70
480万円(1グレードのみ)

このように、3車は驚くほど似ているのである。特にランクル250とランクル300は、“丸かぶり”といってもいいほど、ボディサイズも価格も近いのだ。

ランクル300は2024年4月18日時点で注文停止となっているため、現時点で比較検討する人はいないかもしれないが、注文が再開されるころにはランクル250の納期目処もついているだろうし、ライバルになる可能性は十分にある。

「3モデルのポジションをより明確にしました」とトヨタはいう(写真:トヨタ自動車) 「3モデルのポジションをより明確にしました」とトヨタはいう(写真:トヨタ自動車)

ランクル250の納期については、「詳しくは販売店にお問い合わせください」と明示していないが、比較的納期の短いサブスクリプションのKINTOで「5〜8カ月程度」としているから、通常購入での納期が“それ以上”であることは間違いない。

また、豪華さよりもオフロード車らしいスタイリングに惹かれる人なら、ランクル70との比較検討もありうるだろう。ランドクルーザーのライバルは、ランドクルーザーなのだ。

著者:木谷 宗義