本拠を置くカリフォルニア州は、新型コロナウイルス感染拡大で外出禁止措置が続いており、実際にいつ登板できるかは不透明だったが、同GMは「エンゼルスのトレーナーが治療できるし、水原(一平)通訳も一緒に来る。(大谷は)そんなに強く力を入れていない。80〜85%くらいの強度で投げている」と説明した。

5月30日。大谷が実戦形式のフリー打撃「ライブBP」に登板したことを明かした。

28日に開設した自身のインスタグラムに「Live BP from last week(先週のライブBP)」と英語で記し、27秒の投球動画を投稿。おなかの前にグラブを置き、セットポジションに入った大谷。高く上げた左足を踏み込み、思い切り右腕を振った。

意外だったインスタグラムの開設

「ライブBP」とは実戦形式のフリー打撃。打者に投げるのはメジャー1年目の2018年9月2日の敵地アストロズ戦以来、約1年8カ月ぶりだった。左打者のラステラは速球系2球にいずれもバットを振らなかったものの、何度もうなずく姿が球威を物語っていた。

大谷のインスタグラムの開設は意外だった。最初は少し信じられなかった。エンゼルスの広報から告知があってから、正真正銘、これは本人のアカウントだったとやっと認識できた。

初投稿は自身のメジャー初本塁打時にサイレント・トリートメントで祝福された動画を添えて「Hope my welcome to Instagram party goes better than this(インスタグラム開設が"これ"より歓迎されることを望んでいます)」と、英語で粋なメッセージを送った。

その2日後に「ライブBP」に登板した動画を投稿した。

私を含めた日米メディアが次々に速報した。「意外だった」と記したが、コロナ禍で開幕が延期となり、ある程度、自分の時間が取れるようになったことが一番の理由だろう。これまで大谷は忙しすぎた。

大谷がSNSの更新に割く時間はこれまでなかった。割く必要性もなかったのかもしれない。ファンサービスに熱心な選手だが、基本的に目立つことは好まないからだ。

ただ、当時、インスタグラムのストーリーズという機能を利用し、「主に野球関連の投稿をアップしていく予定です。これから皆さんと野球を通じて繋がるのを楽しみにしています」とつづった。