ホワイトチョコ、クッキー、アイスが細長いグラスに盛り付けられていくーー。

滑らかに手を動かすのはパティシェの和志さん。カウンター9席だけの小さな空間で、パフェが目の前で作られる光景は見ているだけで楽しい。生クリームと、仕上げにミントが添えられ、定番メニュー「シロ」の完成である。

「お待たせしました、シロです」と差し出してくれるのはホール担当の玄太さん。柔らかい笑顔と口調が印象的だ。

定番メニュー「シロ」(撮影:梅谷秀司)

時刻は20時。満席の店内には、若い女性を中心に中年の男女もいるが、共通しているのは皆パフェを食べていること。黙々とスプーンを動かす人や、和志さんや玄太さんとおしゃべりをしながら食べる人もいる。初めて来たという緊張気味の人には、玄太さんが気さくに話しかける場面も。

不意にパトカーのサイレンが聞こえ、ここは歌舞伎町なのだと思い出す。パフェというかわいらしいイメージとは正反対の、お世辞にもキレイとは言えない雑居ビルの3階に、夜パフェ専門店「ロイトシロ」はある。恋人同士である和志さんと玄太さんが、2019年にオープンした店だ。

夜パフェとはディナーやお酒の後、あるいは一日の締めくくりにパフェを食べるというスタイル。そのため「〆パフェ」とも呼ばれている。北海道で誕生し、現在は全国的に広まっている。歌舞伎町にも数軒の夜パフェ専門店があるが、「ロイトシロ」が先駆けだ。