区役所が宮前平から鷺沼へ移転します。

2つの街区から構成

 東急が公表した2024年3月期の決算説明資料には、東急線沿線で推進する開発計画についての言及があります。このうち多摩田園都市エリアでは、川崎市宮前区の鷺沼駅前で計画があります。

 現在は開発準備組合が設立され、基本計画の策定や環境アセス手続などが行われています。2024年度には「活用に関する基本的な考え方」を策定し、駅前街区から工事が始まる予定です。

 では具体的にどう開発されるのでしょうか。現在は駅前(中央改札側)にロータリーが、その向かいに商業施設があり、その商業施設は3本の市道に囲まれた三角形の土地に立地しています。計画は、現行のロータリーと商業施設を一体的に開発するもの(駅前街区)。地下2階、地上37階建てのビルが建設されます。

 そしてビルには、区役所や市民館、図書館、市民ホールといった行政機能と、商業施設や住宅が入居予定です。駅前には広場が整備され、ロータリーは現行の位置より南へ移設されます。また駅前街区の北東側にも、市道を挟んで地下2階、地上20階のビルが整備され(北街区)、役所の一部機能や住宅などが入居予定です。

 供用開始は、図書館および市民ホールが2027〜28年度の、区役所が2030〜32年度の予定。なお、行政機能は現行の宮前平地区から移転されるため、遠方となってしまう利用者にも配慮し、バスターミナルを現行の約2倍の広さへ拡充したうえで、バス路線の新設や既存路線の増便も行われます。

 一連の開発計画について宮前区は、「鷺沼駅は急行停車駅ながら、狭小な交通広場や駅周辺に低未利用地が点在するなどの課題があり、川崎市の地域生活拠点にふさわしい整備が求められています。再開発事業により、駅を中心に商業、都市型住宅、文化・交流など多様な都市機能集積と、交通広場整備による交通結節機能の強化を図りたい」としています。