2025年3月に鳥取県倉吉市に開館する県立美術館の工事が完了し、8日に竣工式がありました。関係者向けの内覧会も開かれ、初めて内部が公開されました。
竣工式には、関係者約130人が集まり、玉串を捧げて完成を祝いました。完成した美術館は、延べ床面積約1万600平方メートルの3階建て。総工費は約70億円で、2022年1月に着工し、3月に工事が完了しました。
コストの低減を図るため、民間の資金を利用して施設整備とサービスの提供を委ねるPFI方式で整備・運営されます。PFI方式を取り入れるのは、公立の美術館としては全国で初めてです。
8日の竣工式に合わせて内覧会も開かれました。気になるその内部は…。

嶋村 采音アナウンサー
「こちらは「ひろま」と呼ばれるスペース。展望テラスまで繋がっていて開放的な空間が広がっています」

1階に広がる「ひろま」。県内産の木材がふんだんに使われ、吹き抜けの空間にはたくさんの光が降り注ぎます。休憩場所だけではなく、展示やワークショップ、コンサートなど、様々な用途で活用されます。

嶋村アナウンサー
「2階は主に収蔵品を展示するコレクションギャラリーになります」

2階には5つの常設展示室を配置。これまでに県が収集した1万点を超えるコレクションをテーマ別、作家別などに分けて展示する予定です。

嶋村アナウンサー
「こちらは3階にある企画展示室。美術館の中で一番広い展示室になります」

天井までの高さ5m、床面積約1000平方メートルの企画展示室。美術館主催の企画展を中心に、年4回さまざまな展覧会が開催されます。また倉吉市内を一望できる展望スペースもあり、ゆったりとした時間を過ごすこともできます。
ところで鳥取県立美術館といえば、県が目玉の収蔵品として約3億円で購入したアンディウォーホルの「ブリロの箱」。いったいどこに展示されるのでしょうか?

鳥取県立美術館・尾崎信一郎館長
Qブリロの箱はどこに展示予定?
「彫刻となりますので、第3展示室になると思います」

嶋村アナウンサー
「こちらがブリロの箱が展示される予定のギャラリーです。この展示室のみ窓があって、展示品を外からの光で照らすことができます。どんな形であの箱が展示されるのか楽しみですね」

鳥取県立美術館がオープンするのは、1年後の来年3月30日。県は建物を活用したイベントを開催するなどして美術館の認知度を高めていくとしています。

鳥取県・平井知事
「あと一年皆様と一緒に素晴らしいオープンを迎えられればと思います。アート(あと)1年です」

コンセプトは「未来をつくる美術館」。県の新たなシンボルの誕生に期待が集まります。