WEB上の個人制作漫画には、プロの漫画家が手掛けたものも数多く存在する。「プリマックス」(原作:柴田ヨクサル)や「最後の竜騎士の英雄譚〜パンジャール猟兵団戦記」(原作:よしふみ)などの作品で知られる、漫画家の蒼木雅彦(@aokimasahiko)さんが発表した「ラスボスといっしょ」もそうした作品の1つだ。

格闘ゲームのラスボス「ガイア・フリージア」が現実世界の日本にやってきたことから始まる同作。偶然のコマンド入力で召喚してしまった少年を秘書に任命したガイア様が、格ゲーのシステム由来の常識を超えた力を現実世界でも振るっていく物語で、Amazon Kindleインディーズ上の無料の電子書籍として全5巻が公開されている。ニヤリとする格ゲー愛と熱い展開に「ガイア様最高」「腹筋に悪い」「もっと続きが読みたい」と反響を呼んだ同作、その舞台裏を作者の蒼木雅彦さんに教えてもらった。

■意外とない?「格ゲーのラスボスが主人公」漫画誕生のきっかけ

――SNS上で話題となった本作ですが、あらためて制作のきっかけや、アイデアの発端について教えてください。

【蒼木雅彦】ラスボスの漫画はたくさんありますが、格ゲーのラスボスを主人公にしている漫画ってないなと思い、試しに描いてみました。

――格ゲー要素にニヤリとする序盤から、ラスボスの貫禄を見せる結末まで、笑いと熱さを感じる作品です。もともとシリーズとしての構想はあったのでしょうか?

【蒼木雅彦】構想はありませんでした。想像以上に多くの方に読んでいただけたので続きを描きましたが、ネタも切れてきたので強引に終わらせました(笑)

――蒼木さんは商業作品でも絶えず作品を発表されています。個人制作の本作ならではのポイントや、反対に苦労したことはありますか?

【蒼木雅彦】なんの制約もないので自分がおもしろいと思ったものを全部自由に描けて楽しかったです。ただ、話が思いついても完成まで何カ月もかかってしまうのが苦労といえば苦労です。

――ご自身で振り返って、特に筆が乗った場面やお気に入りのカットがあれば教えてください。

【蒼木雅彦】自由に描いたのですべて楽しかったです。とくにムキムキおじさんのガイア様は楽しかったです。

取材協力:蒼木雅彦(@aokimasahiko)