死神となり戻ってきた亡き妻・志乃と、志乃が亡くなった後も充実した毎日を過ごす夫・進。そんな二人の「絆」と「愛の形」を描いた早々乃曜七(@kakesichi67)さんの創作漫画「君の死は」が、SNSを中心に話題を集めている。「モーニング月例賞」で期待賞を受賞するなどストーリーを高く評価されている本作について、作者の早々乃曜七さんに話を伺った。


■「個人的にはそんなに泣ける話のつもりで描いていなかったので、意外でした」

亡くなった妻が死神になってしまうという設定について、早々乃さんは「『死神に魂を取られないよう頑張っている人間の絵』を最初に思いつきました。『この2人がどういう関係性だったらおもしろいだろう』と考えた結果、死神は妻、人間はその夫という関係性に落ち着きました」と、着想のきっかけを明かす。

2人の関係性を作り上げるうえでこだわった点を尋ねると、「話が進むにつれ、2人の内面のギャップが出てくるように工夫しました。一見自己中に見える妻が、実は暗い過去を持つ夫にとって救いの存在になっていた、という冒頭の第一印象をひっくり返すような展開にしました」とのこと。

そうした2人の姿には多くの読者から「感動した」「涙腺崩壊」といったコメントが寄せられていたが、「本作はpixivに載せているのですが、いつもじっくり丁寧に読んでくださる方が多くて、とてもうれしいです!ただ、個人的にはそんなに泣ける話のつもりで描いていなかったので、意外でした。切ないけれどカラッと笑える、そんなテイストの漫画です(笑)」と告白。反響の内容は早々乃さんにとって予想外だったようだ。

最後に、「設定はダークだけど、悲しくなりすぎないコメディ寄りの漫画」を描くのが好きなのかもしれません。これからもそういう漫画を描いていきたいと思います。いつかコミティアにも出てみたいと思っているので、もし機会があったらいらしてください。よろしくお願いします」と、今後の目標を語ってくれた。



取材協力:早々乃曜七(@kakesichi67)