クルマの事故の30%は駐車場内! 愛車を危険にさらさないために誰でもできる「駐車対策」6つ

この記事をまとめると

■交通事故全体のうち約30%は駐車場内で起こっている

■駐車場での事故は人対クルマの割合が高く、また車両同士の事故の場合は後退時の事故が多い

■駐車場でなるべく事故に遭遇しないための対策を解説

駐車場には思わぬリスクがいっぱいある

 なんとなく駐車場は安全な場所だと思っている人が多いかもしれませんが、じつは交通事故全体のなかで、駐車場で起こった事故の割合は約30%にものぼっています。皆さんのなかにも、駐車場に停めていて、用事を済ませて戻ったら愛車がぶつけられていた! 傷つけられていた! なんて経験をした人もいるのではないでしょうか。

 しかも、交通事故総合分析センターの令和3年のデータによれば、交通事故全体で見た場合と駐車場での事故を見た場合では、車両同士や車両単独ではなく、人対車両の事故件数が約2.5倍になっていることがわかります。

 また、車両同士の事故でも、交通事故全体では後退時の事故件数は4.8%にとどまっているのに対して、駐車場に限ってみると65%と約13.5倍に膨れ上がっていることがわかります。

 さらに、駐車場内の施設物との接触による事故は約30%、車両同士の接触が約55%にのぼります。続いて落書きや飛来物などによる事故が7.4%、盗難も0.2%というデータとなっています。ということは、駐車場に停める際にはなるべく事故の被害に遭いにくいような場所を見極めて、自分で事故防止に努めて愛車を守ることが必要なのです。

 ではどうやって守るのか。そのひとつめが、駐車場の車両出入り口の近くを避けて停めるということ。出入り口はもっとも車両の通行が多い場所になりますので、運転が上手い人だけでなく慣れていない人も必ずそこを通行します。それだけ事故に遭いやすいリスクが高まってしまうことになるので、なるべく通行が少ないところを見極めることが大事です。

 ショッピングモールなど、建物の駐車場の場合には、建物に人が出入りするエントランスの近くもたくさんの車両が停められる場所で、出入りが激しくなりやすいので、そのぶんだけ事故が発生しやすいということになります。なるべく遠く、誰も停めないような場所を選んで停めることも愛車を守るひとつの方法です。

 とはいえ、いくら遠くて他車が近寄ってこないような場所とはいえ、そこでも避けたい条件があります。それがふたつめになりますが、大きなサイズの車両の隣や対面に停めないようにするということ。最近はボディサイズがどんどん大型化しており、それにしては駐車枠の大きさがほとんど昔と変わっていないため、隣に停めた車両との間隔が狭くなりがちです。

 それなのに、大きなミニバンやSUV、キャンピングカーやトラックなどが停まっていたら、ドアを開けるのも気を使うような状態。自分は気をつけてても、隣の車両がどんな人かはわかりませんし、乗り降りの際にドアパンチされるかもしれません。

 出ていくときに、内輪差でフロントバンパーにタイヤを引っ掛けてしまう可能性も高くなります。左右からくる車両や歩行者が見えにくいので、ぶつかってしまうかもしれません。

 出にくい、ぶつけられるリスクが高まるという点に関しては、隣だけでなく対面に大きな車両がいるときにも考えられることですので、駐車場が混んでいる場合には選択肢は少ないかもしれませんが、なるべく空いている駐車枠の隣を探すか、小さな車両の隣や対面を探して停めることが大切です。

駐車場では少し考えてからクルマを停めよう

 続いて3つめとしては、車両のリヤ同士が向かい合うような配置となっている駐車場では、ミニバンやスーパーハイトワゴンなど、バックゲートが大きく開く車両の後ろを避けるということ。

 もちろんこれも、そのオーナーさんが荷物を出し入れする際などに、誤ってぶつけるのを懸念してということになりますが、自分の愛車がバックゲートの大きな車両の場合も、なるべく後ろに他の車両が停まっていない駐車枠に停めたり、後ろがひらけている場所を探すほうがいいでしょう。

 4つめは、壁や柱などの出っ張りがある場所を避けること。

 データにもありましたが、駐車場の事故で壁やフェンス、街灯などとの接触事故は約30%にものぼります。地下駐車場など暗いところでは壁などが見えにくかったり、初めて停めた場所で「こんなところが出っ張ってるとは思わなかった」という場合もありますので、あらかじめ避けておくことが大切です。

 よく、駐車場の角にある駐車枠は、片側が壁やフェンスになるのでドアパンチなどをされるリスクが低くなるといって好む人もいますが、その場合には予期せぬ出っ張りなどがないかどうか、しっかり確認するようにしたいですね。

 5つめは、洗車したばかりの人はとくに注意したい、鳥フンや落ち葉、花びらなどが降りかかるような場所。

 大きな木の下や街灯、電線、屋根の先端といったところは、こうした汚れの被害に遭いやすい場所になりますので、注意が必要です。

 6つめは、盗難やイタズラを予防するために、周囲の人から死角になってしまうような場所も、できれば避けたいところです。

 駐車場には監視カメラが設置されていることも多いですが、それはほとんど抑止力にはなりません。帽子やサングラスやマスクでいくらでも顔は隠せますし、被害に遭ったあとに役立つことはあっても、やられてからでは遅いのです。

 やはり、抑止力に効果的なのは「人目」ですので、通行人から完全に隠れてしまうような駐車枠は避けた方が無難といえます。また、車内の荷物が窓から見えないように、シートに置きっぱなしをするのはやめて、ラゲッジに移動させてトノカバーなどで隠しておくことも忘れないようにしましょう。

 ということで、駐車場では適当に空いてるところに停めるのではなく、愛車から離れている時間も安心して過ごせるよう、少し考えてから駐車するようにしたいですね。