ウーマンエキサイトの記事です。

「特別じゃない日を特別にする方法」を試みているこの連載。今回は、「子どもが生まれた時の重さのお米を愛でてみよう」です。

前回は「家族で1日を分割して担当を決め、それぞれが一番良いと思う過ごし方を考えて実行し最高の1日を作り出そう!」という、結構アクティブなチャレンジだったので、今回は家の中でお金をかけずにできることを…。

ということで、新生児時代の重さを感じながら当時を振り返ることにしました。

いざ、出生体重と同じ重さのお米を抱っこ!
出生時の重さのお米は「体重米」という名称で内祝いのお返しや結婚式での両親へのプレゼントとしても結構人気があるみたい…。業者にお願いするとすごくかわいパッケージで作ってもらえるようですが、今回はオール手作りで簡単にやってみようと思います!

自分が生まれた時の重さを抱いて、子どもたちは何を思うのかな…。

作り方は簡単。子どもの出生体重分のお米を計ったら、その米を袋に入れる、当時の顔写真を貼ってバスタオルでくるめば完成!

わが家は3人とも3kg越えで、長男に至っては4kg弱あったので、3人分で10kgほどのお米が必要となりました。

ただ袋に入っていただけのお米に顔写真をつけてバスタオルで巻くと、赤ちゃんにしか見えない! 新生児のころの自分を見た子どもたちは大喜びで、みんなの第一声は「かわいい〜!!」でした。

長男は「僕ってこんなに重かったの!?」と何よりもその重さに驚いたようです。

「長男が生まれた直後、「お母さんとご対面」と助産師さんが私の上に長男を乗せてくれたんだけど、その時にずっしり重くて『えっ新生児ってこんな重いの!?』ってびっくりしたんだよ」と言うと、嬉しそうにウヒャウヒャと笑っていました。

「長男くんは置くとすぐ泣くから、お母さんが1日中抱っこして生活してたんだよ」と伝えると「これは疲れるわ…お母さん頑張ったね」と8年越しに苦労を労ってくれました。

ひとり目で何にもわからないまま、この子の命を守らねばいけないと必死に子育てしていたあのころの私、聞いたかい。8年後にその子が「頑張ったね」って褒めてくれたよ。

次男はというと、ほんの2年前の自分の重さのお米抱っこして、「これはアカチャンヨ!!」と喜んでいました。

「アカチャン、ナイテルカラ…」と一生懸命お世話しているかと思ったら、バスタオルを剥ぎ取って米を叩いたり顔を剥がそうとしていて「袋は二重にしておくべきだったな…」とちょっと反省。

長女は、新生児のころの自分にメロメロ。「初めて見た時からこの子はなんてかわいんだろうって思ったの!」なんて言いながら、ずっと笑顔で抱っこしていました。

すると、新生児期の親の生活が気になって仕方がないらしく、「お母さんご飯を食べる時はどうしてたの?」「お母さんがくしゃみしたくなったらどうしてたの?」など、いろいろ質問を受けました。すると、自分がお茶を飲む間、お米の赤ちゃんを抱っこしていてとリクエストが…。


抱っこしてよみがえったあの記憶…!
もちろん私も抱っこしてみました。まずは米を横抱きして「あー、こんな感じだったなぁ。思ったよりも重い感じがするなぁ」と懐かしく思いました。

そして今度は縦抱きしてみよう、と持ち替えた瞬間思いました。「あっ!!これ知ってる!!!!」

縦抱きした米は、授乳を終えてゲップ待ちの脱力した新生児とものすごく感覚が似ていました。あの新生児特有の脱力感って、産後の2週間くらいしか経験できないので(個人の感想ですが)、本当に懐かしく思いました。すっかり忘れていた感覚を久しぶりに思い出して、なんだか感慨深かったです。

その後も米を抱っこ紐に入れて「抱っこよりこっちの方が楽なんだね」と話したり、エア授乳を始めたり、米に添い寝したりしつつ、それぞれ新生児の自分と楽しく過ごしていました。


お米を抱っこしたら赤ちゃん時代の自分に興味津々
この体験をしたことで、子どもたちは自分が赤ちゃんだったころのことが気になりはじめたようで、当時の思い出をいろいろと話しました。夜全然寝てくれなかったこと、授乳の途中で寝てしまうので何度も起こして飲ませたこと、上の子がちょっかいを出すので2人目以降はいつも抱っこ紐で昼寝させていたこと。

みんな、ただただ楽しそうにお米を抱きながら当時の話を聞いてくれました。

そんな姿を見ながら、「本当にみんなすっごく大きくなったな」としみじみ…。不思議な気分でした。

そして、最終的に3つ中2つの米の袋がやぶけました。ちなみに長男と長女の袋です。まさかの次男のだけ無事という…笑

またひとつ、特別な日が増えました。

文・イラスト むぴー
(むぴー)