これがシボレー・コルベットに乗ったモータージャーナリストの本音だ!!「オーバー6000rpmまでピュンピュン回る伝統のV8エンジン!」by 河村康彦

今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! リア・ミッドに鎮座する伝統の自然吸気6.2リッターV8 OHV。シボレー・コルベットに乗った河村康彦さん、石井昌道さんのホンネやいかに?

「想定外の元気の源」河村康彦

「FRでなければコルベットに非ず」という声もあるかも知れないけれど、実態は満を持してミッドシップ化を敢行というのが現行C8型コルベットの真の姿。実際、乗ればフットワークのテイストにもハンドリング感覚にも手慣れた仕上がりが認められる。



クルージング・シーンでの乗り味はランフラット・タイヤを履くのが信じられないほど滑らか、フラットで、コーナー・ターンイン時の振る舞いもミッドシップの教科書通りの軽やかさを演じながら、このレイアウトを初めて手掛けたゆえの危うさ、不安定さなどは微塵もないのだ。

スペック上は“旧態依然”と言われかねないOHVのバルブ・トレインを備えた上に6.2リッターという今や規格外と言える大キャパシティとなれば、そこに「軽やかでシャープな吹け上がり」など期待する人も居なさそう。が、そこでよもやの肩透かしを提供してくれるのが、こちらも望外のスムーズな変速を成し遂げてくれる8段DCTと組み合わされたオーバー6000rpmまでピュンピュン回る伝統のV8エンジン。これこそアメリカ発、想定外の“元気の源”だ!




「文句の付けようがない」石井昌道

レースでライバルに勝つために、60年以上の歴史のなかでもっとも衝撃的なミドシップ化という道を選んだコルベット。そう聞くと、かなりスパルタンな乗り味を想像するかもしれないが、海岸沿いの有料道路を淡々と流して走ると、驚くほど乗り心地が良く、昔ながらのアメリカ車のフンワリとした感覚すらある。これでワインディング・ロードを走ったらどうなっちゃうのかな? と心配するほどなのだが、いざアクセレレーターを踏み込みコーナーへ飛び込んでいけば見事なハンドリングを見せつける。

とにかくサスペンションのクオリティが高いのだ。余計なフリクションのないストローク感、どんな場面でも接地性が良くて変化が少なく、安心してV8のパワーを解き放っていける。

それに加えてミッドシップ化で得られた良好な重量配分とコルベット特有の重心の低さで、それほど足の硬さを感じないのにとんでもなくコーナリングが安定しているのだ。そういった特性だから荒れた路面にも強く、ドライバーに自信を持たせてくれる。文句の付けようがないスーパースポーツに生まれ変わったのだ。



(ENGINE2024年4月号)

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