老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回は、年金をもらいながら、アルバイトで年収150万円ぐらい稼いだ場合の税金について解説します。

■Q:年金をもらいつつ、アルバイトで年収150万円ぐらい稼いだら、税金も高くなるのですか?
今回は以下に設定したケースについて、専門家が回答します。

「65歳。毎月の年金額は12万円、年間で144万円ほどです。年金をもらいつつ、アルバイトで年間150万円ぐらい稼いだら、所得税も高くなる?」

■A:一般的には税金が高くなる可能性があります
年金収入とは、雑所得にあたり、所得税等を払う必要があります。ただし年金収入には、公的年金等控除額というものがあり、老齢年金のみを受給している人の場合、65歳以上の人は年間158万円(公的年金等控除額110万円+基礎控除額48万円)を超えなければ、所得税はかかりません。

今回のケースの年金収入は、年額144万円(月額12万円×12カ月)となり158万円を超えていませんので、所得税はかかりません。

しかし、年金をもらいながら、アルバイトで収入を得ると、確定申告をして税金を支払う必要があるケースがあります。では、アルバイトをしてお金を稼いだ場合、その収入に税金がかかるかどうかについて考えてみます。

アルバイト収入は、給与所得になります。アルバイトの年間収入150万円から給与所得控除55万円を差し引いた95万円が給与所得になります。

給与所得=アルバイトの年間収入(150万円)−給与所得控除(55万円)=95万円

確定申告が必要になるのは、年金収入以外の所得が20万円を超えるケースとなります。

このケースでは給与所得が95万円と、年金収入以外の所得が20万円を超えているため、確定申告をして、税金を納付する必要があるかと思います。

もし給与所得が20万円以下ですと、所得税等の確定申告は必要ありません。また、適用される所得控除・税額控除があれば、税金がかからない場合もありますので、詳しいことは税務署等に確認したほうがいいでしょう。

なお、通常、所得(収入)額が一定額以上あると、社会保険料の負担も多くなります。さらに、現役並みの所得と見なされると、病院窓口での自己負担額や、介護保険サービスを受ける時の自己負担割合も増える可能性があります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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