【山形】鶴岡市の鶴ケ岡城跡にある鶴岡公園に、城の馬出(うまだし)遺構から出土した金峯(きんぼう)石を使ったモニュメントと休憩スペースがお目見えし、市民らの憩いの場になっている。

 馬出は、鶴ケ岡城二の丸の出入り口をふさぐように設けられ、攻守両面で重要な施設だった。前面を土塁や堀、石垣で囲み、左右に狭い出入り口があったとされる。

 2021年、鶴岡公園前の県道工事の際に、石垣の根石や根石の下に敷いた胴木、乱杭などが出土し、馬出遺構と確認された。出土した大きな石のうち約30個は、公園から約6キロ南にある金峯山から切り出された金峯石だった。金峯石は花崗岩(かこうがん)類で、出土したうち大きいものは縦52センチ、横95センチ、奥行き65センチほどあったという。

 その後、発掘調査などをへて、公園内に展示することに決定。出土場所に近い公園東側の一角に金峯石を馬出のような形に並べ、座ることもできるモニュメントに仕立てた。石工の加工痕が残る石も並べ、発見当時の状況も一部再現した。16日から公開している。

 16日に現地であった公開式典で、市教育委員会の布川敦教育長は「多くの市民や観光客にお立ち寄りいただき、城下町の歴史を身近に感じてもらえればありがたい」と話した。(清水康志)