憲法記念日の3日、札幌市の大通公園で憲法改正に反対する市民らが集会を開いた。主催者によると、約500人が参加した。

 労組で作る「北海道平和運動フォーラム」の山崎俊一代表は、ウクライナやパレスチナの情勢をふまえ、「日本が今すべきは軍備増強ではなく、平和憲法で世界平和に向けて先頭に立つこと」とスピーチした。

 憲法学者で北星学園大学の岩本一郎教授は「日本国憲法は『余白のある憲法』」と指摘。同性婚や夫婦別姓などの解釈を例にあげ、「主権者である国民は考え、議論しなければならない。『余白』をより自由で民主的な社会を作るために使いましょう」と呼びかけた。

 集会後はデモ行進があり、参加者は「9条を守ろう」「平和憲法を未来へ」など思い思いの旗やプラカードを掲げて歩いた。

 札幌市の加藤美希さん(36)は「『戦争をする国にして欲しくない』という意思表示で参加した。憲法を変えずに平和を守りたい」。同市の男性(50)は「最近、憲法にのっとった政治がなされていないという危機感がある。一般の方にももっと状況を知って欲しい」と語った。

 集会中は街宣車が繰り返し現れ、拡声機でスピーチが遮られる場面もあり、警察が物々しく警備に当たった。(原知恵子)