【2024年4月5日 アストロアーツ】
(「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)
見どころ
まず北の空で北極星を見つけましょう。4〜9月ごろの晩なら北極星より高いところに、10〜3月ごろの晩なら北極星より低いところに、ヒシャクの形をした〈こぐま座〉の7つの星が並んでいます。
〈こぐま座〉(上)と〈おおぐま座〉
星座の起源
これらの星は、バビロニアのころ「天の荷車」と呼ばれていました。北斗七星の「荷車」に対しての見方のようです。地球の歳差運動によって、1000年前ごろから今の北極星が天の北極付近に位置するようになり、大事な星と見なされるようになりました。
日本では、〈こぐま座〉を古くから、北斗七星の「大びしゃく」に対して「小びしゃく」と呼んでいました。
星座の物語
ギリシア神話では、次のようなお話が伝わっています。カリストは、月と純潔の女神アルテミスにつかえる美しいニンフ(妖精)でした。大神ゼウスに愛されたカリストは、やがてアルカスという男の子を産みました。このことを知ったアルテミスはカンカンに怒って、罰としてカリストを熊の姿に変えてしまいました。そしてカリストはアルカスを残し、ひとりさびしく森の奥へ消えていきました。
それから何年もたったある日、カリストは森の中で、成長した息子アルカスに出会いました。ところが、この熊が母の化身だとは知らないアルカスは、熊におそわれると思い、弓矢を母に向けてしまったのです。天上からこの様子を見ていたゼウスは、急いでアルカスを母と同じ熊の姿に変え、空へ放り上げました。このようにして、母のカリストは〈おおぐま座〉に、息子のアルカスは〈こぐま座〉になりました。
なお、天に投げるときゼウスが熊のシッポをつかんで投げたので、シッポが長く伸びてしまったといわれることもありますが、実際のギリシア神話ではシッポについてとくに説明はありません。
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