7月初旬にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催される『クラウドストライク・スパ24時間』に向けた公式テストが、5月23日に同地で行われ、コムトゥユー・レーシングのアウディR8 LMSエボIIを駆るクリストファー・ハーゼが初日最速タイムを記録した。

 ハーゼはファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)でフレデリック・ベルビシュ、ジュル・マグナスとシェアする11号車アウディのステアリングを握り、テスト初日に設定された午前中3時間、午後は5時間にわたったセッションの両方でトップとなった。

 アウディスポーツのワークスドライバーである彼は、雨の影響受けた午前中は2分18秒525をマーク。ランチタイムを挟んで行われた午後のセッションでは路面コンディションの改善もあり自己ベストを約2秒短縮してみせた。

 ハーゼが記録した2分16秒741というタイムは、計68台のGT3カーが走行したこの日の最速タイムとなり、マンタイEMAのジュリアン・アンドラウアーがドライブした92号車ポルシェ911 GT3 Rを0.058秒上回った。

 3番手はトレゾア・オレンジ1の40号車アウディR8 LMSエボII、ブロンズカップエントリーのチーム・パーカー・レーシング、同じくブロンズのハーバース・モータースポーツのポルシェ911 GT3 Rが続き、アウディとポルシェが上位に並ぶ結果となっている。

■スパを代表するラディオン、プーオンで複数のアクシデントが発生

 テスト初日には、超高速コーナーであるラディオンでブリット・レーシングの33号車アストンマーティン・バンテージGT3がクラッシュに見舞われるなど、いくつかのアクシデントが発生した。

 また、同じコーナーでコースアウトしたアコーディスASPの89号車メルセデスAMG GT3エボと、レ・コンブでグラベルトラップにはまったGRTグラッサー・レーシング・チームの58号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2の回収のため、さらに2度の赤旗が出されることとなった。

 その他、グローブ・レーシングの23号車ポルシェ911 GT3 Rがパンク、STレーシング・ウィズ・リナルディのフェラーリ488 GT3エボによるバスストップ・シケインでのマシンストップ、さらにプーオンではブーツェンVDSの9号車アウディR8 LMSエボIIがスピンするなどのアクシデントが発生している。

 午前中唯一となった約30分の中断は、プーオンのバリアを修復するためのものだった。これはサンテロック・ジュニアチームが走らせる26号車アウディR8 LMSエボIIのクラッシュによって引き起こされている。

 スパ24時間の公式テストは24日(水)も引き続き行われ、2日目も計8時間のセッションの実施が予定されている。